藤本監督のいない中、予想外の勝利だった。
田嶋はいつも手こずる相手であったし、石川も大関と比べれば、オープン戦でも不安定さが目についていたので苦戦は必至と考えていた。
初回の二人は共に20球を投じたが、球速はあまり変わらないのに、断然田嶋の方が優勢に見えた。
石川は球が散らばり気味で伝家の宝刀のカーブも上手く活かせていなかった。
いきなり福田に打たれピンチ、これを救ったのがセカンド牧原のファインプレーだった。
抜けていれば失点の所を防いだこのプレーで石川の調子が上向いた気がする。
2回からは見違えるような内容、いつものテンポが戻り、カーブも決まり出し、緩急で相手打線を封じた。石川にとっては無四球ということからも調子の良さが分かるようになった。
5回を終えて、ここでも両投手は77球同士、先制点が圧倒的に有利な展開が続いた。
そんな中6回に今季変身著しい甲斐が出たあと、近藤がライト上段に放り込んだ。
本当にこの人は今のホークスにとっては”神”的存在だ。
6億7億と騒がれたがそれ以上の値打ちがある様に感じる。
メジャーに行った吉田が20億らしいが、同等の価値ある存在であり、他の選手達が活躍しているのもこの人に牽引されている気さえしてきた。
それだけにフェンス激突のあとの後頭部の打撲は心配である。
ホークスにはもう一人”神”がいる、栗原だ。
昨年一年間の欠場は痛かったが、今となってはこのリハビリ期間が間違いなく現在のパワーヒッッティングに繋がったと言えそうだ。
柳田のヘッスラに燃えたのか、早くも3号、すべて会心の当たりである。
このまま行くとは思わないが、今は昨年の村上選手と重なって見えている。
開幕以来、この二人がひときは際立って見えるが、昨年と違うのは、甲斐、中村、牧原の三人が開幕前には考えられないような高打率を残しており、打線の流れが途絶えるのは今のところ8番だけだ。
どこまで続くかは分からないが、ここ一本で苦しむことが多かった今までの状態とは雲泥の差である。
WBC組参入で思いのほか好循環が起きた感じがする。
任された森臨時監督も終盤は田浦や古川を使うほど余裕のある戦いぶりである。
ひとつ勝てば御の字と思っていただけにこの勝利は有り難い。
驚いたのが明日の先発が普段は中継ぎの黒木という。
なぜ山本、宮城ではないのだろう?
何が起きるか分からないのも野球であるが、常識的には、打線が早めに潰してやれば、和田も6回は続きそうに感じる。
少し余裕を持って観戦出来そうだ。
昼間にタマスタで四軍が徳島インディゴ相手に初勝利した。
フェリクス、桑原、大野、赤羽の4人のリレーで完封ゲームだ。
こんな所で投げているが奄美の大島高出身である大野はドラ4の投手だ。
今日初めて見たが、現状では二軍でも厳しい状態の投球であり、ファームに上がってくるのも、当分はないような球しか投げられていない。
昨秋のドラフト会議の時から動画なども見て、育成選手で注目していたのは赤羽と水口の二人の投手だった。
水口は京都大学卒という話題性が大きかったが、赤羽のほうはイヒネと同様に三年生から急成長した投手で、スカウトのコメントでによると、「間違いなく千賀よりポテンシャルは高い」と話していたことや、赤羽の地元である茨城で放映された特集をみて、球のキレは際立っていたことから実戦を楽しみにしていた一人である。
確かに千賀と同じ大型であり、まだ細身だが、高校生の体格ではないように見える。
今日はmax145kmであったが変化球も制球されていて、現時点では大野に比べて相当強くて重そうな球が投げられているので、二軍で見られるのも遅くはないと感じている。