No One Knows Who We Are | In The Groove

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a beautiful tomorrow yea

  
好きなところで好きなように暮らす、口で言うのは簡単だが、実行するのは難しい。選択肢が多すぎるというのも考えもので、実は選択の余地がまるでないのとあまり事情は変わらないのだ。
或る意味では、理想の女性を求めるのと似たところがある。一口に女性と言っても、体ならあの女、性格はこの女、頭ならあれでもこれでもない第三の女、という具合になるようなものだ。

 

例えば、都会の冷淡さとエネルギーを合わせ持つニューヨークについて言えば、洗練されたイギリス人がここに住んで、居ながらにしてアテネの空と空気を満喫できるならば、この街は完璧と言えるだろう。が、悲しいかな、完璧な都市などどこにも存在しない。ために、私のようにせっかく暇のある紳士にとっても、優雅な暮らしを追求することはほとんど至難の業と相成るというわけだ。

タキ・テオドラコプラス著『ハイ・ライフ―上流社会をめぐるコラム集』より

 

ドナルド・トランプが大統領選に出馬

 

 
アメリカの不動産王ドナルド・トランプに関して、過去に何度かブログで取り上げたが、彼の大統領選出馬の話は今回が初めてではなく、2011年2月20日付ブログ
I still don't know what I was waiting for...”で、当時ヴォーグ誌の表紙を飾った彼の妻メラニアの話題も合わせて、詳細に綴った。当時のブログから、以下一部抜粋して紹介したい。

 

俺の非公開ツイッター上で、ある女の子から映画『アメリカン・サイコ』についての感想をいただいたので、そのツイートに対して、いくつかツイートしてみたのだが、アメリカン・サイコの主人公パトリック・ベイトマンが、ヒーローとして崇める人物が、他でもないニューヨークに実在する不動産王ドナルド・トランプその人なのだ。

 

一方、当時の彼の発言「米国は世界で物笑いの種になっているし、尊敬されてはいない。中国は経済的に米国を乗っ取りたいと考えている。中国は競争で優勢な立場に立っているわけでなく、詐欺を働いているだけだ」はとても興味深く、或る意味、的を射ており、中国を「敵」と呼び、すべての中国製品に25%の関税を設定するとの考えもまた、とってもドナルド・トランプ的であり、私的には最高だった(笑)し、ラストサムライ<石原慎太郎>氏を彷彿とさせるような物言いに、強力なリーダーシップを感じ得たものだ。

 

現在69歳となったトランプ氏は、共和党から12人目の立候補者になるようだが、不動産事業で成功し、巨万の富を築き、自由奔放に生きてきた彼だが、年齢的にも今回が最後のチャンスだろうか。現実問題として、アメリカには、成金主義的な彼を嫌う人も少なくないようだが、
 
私的には彼を「好きか嫌いか」で判断するならば、好きな部類の人物であり、彼の所有する高級ホテルや高級レジデンスは過去何度か使用した
が、とりわけニューヨークのセントラルパークを眼下に見下ろす最高のロケーションに位置するトランプ・インターナショナル・ホテル
&タワー・ニューヨークは洗練されており、
 
同ホテル内の高級フレンチ「ジャン・ジョルジュ」を含め、私的にはオススメのそれなのだ。

 

大統領選挙の行方はさておき、ドナルド・トランプについて、過去に何度か言及したゆえ、今回改めて言及するつもりもないが、
 
彼の妻メラニアのツイートに関しては、度々ブログで取り上げているように、パリス・ヒルトンも足元に及ばないような、ハイ・ライフを満喫しているニューヨークを代表するソーシャライトのひとりなのだ。日常的に、プライヴェート・ジェット機での移動の写真を公開するなど、フェイスブックが大好きなアメリカ人そのものだが、パリス・ヒルトンと同じように、日本にはそういう人物は存在しない。アメブロの有名人ブログのように、田舎の小中高生が喜ぶような幼稚なそれとは異なり、メラニア夫人は“スタイル”を確立しているひとりだとも言えよう。誤解のないように付け加えておくが、人生はお金がすべてではない、と。フロイトの言葉を借りれば、幸福とは幼年期の夢を成年期において実現することかもしれない。

 

ブログ冒頭で引用した、俺のお気に入り本のひとつ『ハイ・ライフ』には、「スタイルとなにか?」というコラムも掲載されており、以前のブログでも紹介したと思うが、一部抜粋して紹介したい。彼のユーモア感覚は秀逸であり、知的で、本物の金持ちらしく、経験値が人並外れており、独特のオリジナリティもそうだが、説得力に溢れているのが特徴だ。正に、彼はスタイルを確立しており、例えば、オスカー・ワイルドやフィッツジェラルドにも相通じるようなセンスを感じ得る人物でもあろう。

 

多くのアメリカ人、とくに小さな町で育ったアメリカ人と同じで、イギリス人の貴族は気に入った人物は誰かれかまわず自宅に呼んで歓迎する。また彼らは、一見して人を判断する。この点でも、多くのアメリカ人と似ている。自分でも手に負えないほどスタイルを持っていたオスカー・ワイルドは、こう書いている。初対面で人を判断できないのは底の浅い人間だけである、と。これまでスタイルがないということでハリウッドを非難する者はいなかった。それどころか、ハリウッドは、一度として文明と呼ばれる域に達することなく、原始時代からデカダンへ移行してしまった唯一の社会なのである。

タキ・テオドラコプラス

 

同書の中で、もうひとつ面白かったコラム「ドン・ファン賛歌」からも、一部抜粋して紹介したい。

 

現代のドン・ファンを見ていると、どうも暇つぶしをしているような気がしてならない。どんなおとぎ話も必ず結婚で終わることを考えれば、われわれロマンチストが何よりも説得力のある神話である結婚を信じることは驚くに当たらない。だから、今度、年がら年中女の尻を追い回しているくせに幸せな結婚生活を送っている男のことを耳にしたときも、不愉快な奴だと思わないで、どうかオスカー・ワイルドの次の言葉を思い起こしていただきたい。「一夫多妻―ひとりの女と結婚し、多くの女を愛することができれば、そのほうがどれほど詩的なことだろうか

タキ・テオドラコプラス

 

ローレンちゃん、ふたたび

 

昨夜、帰宅後、テレビを映画チャンネルに合わせると、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『バスケットボール・ダイアリーズ』(1995年/米)が放映されており、23時からは別の映画チャンネルで、トム・クルーズ主演の映画『コラテラル』(2004年/米)が始まった。
 
その傍ら、ツイッターで、ローレン・マイコラスちゃんのツイートが目に留まり、独り言を添え、
RTした。六本木1丁目のタワーマンション(家具付き高級アパートメント)に住み、シルクのヒョウ柄パジャマを身に纏い、ノンカフェインの健康茶ルイボス・ティー片手に、映画ストリーミング配信<ネットフリックス>に触れていたローレンちゃんだが、正に、アメリカのパリス・ヒルトン同様、自撮りが大好きな、就寝前のアメリカン・ウーマンそのものだった。彼女なりに、こだわりがある、一見“優雅”に思えるようなライフスタイルを、ここ東京都心で送っているのは確かなようだ。

 

ミラノ・ファッション・ウィーク

 

ところで、2016年春夏ミラノ・メンズ・コレクション(ミラノ時間/6月19日~23日)が始まる。今回特筆すべき点は、ジョルジオ・アルマーニによる若手デザイナー支援プログラムで、日本人デザイナー落合宏理くんの東京発のファッション・ブランド『FACETASMファセッタズム)』が、ミラノ・コレクションのデビューを果たすことだろうか。ショー会場は、アルマーニのブランド同様、安藤忠雄氏設計による劇場<アルマーニ・テアトロ>において開催される。

 

ファセッタズムについて、GQ JAPANのサイトでは「ファセッタズムはポップカルチャーに巧みにテイラーリングを取り込んだ、今注目のブランド。フューチャリスティックなシルエットと、ストリートからインスピレーションを受けた特徴的なコレクションが、日本のアーバンスタイルを完璧に表現している」と紹介されていた。

 

尚、同ブランドの服を、伊勢丹新宿メンズ館もしくはドーヴァー・ストリート・マーケット銀座で過去に見たようにも思う(通り過ぎたと言ったほうが正しいかもしれない)が、そのコレクションを見た限り、ストリート・テイストに溢れ、ユニークなそれだったゆえ、ジョルジオ・アルマーニの服を10代の頃から愛用し続けている俺の趣味でないのは確かなのだが、このチャンスを機に、イタリアの圧倒的すぎる、完璧なほどに美しいモーダの数々に囲まれながらも、世界的には無名と言える、東京発のモードをぜひともアピールしてほしいものだ。

 

とはいえ、クルマで例えるならば、ランボルギーニフェラーリに、東京に住むベンチャーの若者が手作りした、排気量1000cc以下のクルマで対抗するようなそれではあるが、何事も始めるに遅いことはないはずだ。メンズファッションの世界において、パリやロンドン、ニューヨークでのランウェイ・デビューならまだしも、いきなりミラノというのが、残酷のようでもある一方、とても素晴らしい機会であり、舞台ではないのか。今年でブランド創設40年目を迎え、来月で80歳の誕生日を迎えるMr.アルマーニが、1977年東京生まれの若手デザイナー(1999年に文化服装学院卒/2007年にブランド創設)に与えてくれたチャンスだとも言えよう。

 

ショーのスケジュールについて、全部は書かないが、以下いくつか紹介したい。今回もそれぞれのブランドのサイトなどで生中継されるので、興味のある方はどうぞ。

 

■6月20日(土)

エンポリオ・アルマーニ(ミラノ時間11:30~/日本時間は、同日18:30~

ヴェルサーチ(ミラノ時間20:00~/日本時間は、翌21日(日)03:00~)

■6月21日(日)

ボッテガ・ヴェネタ(ミラノ時間9:30~/日本時間は、同日16:30~)

プラダ(ミラノ時間18:00~/日本時間は、翌22日(月)01:00~)

 
■6月22日(月)

ファセッタズム(ミラノ時間10:30~/日本時間は、同日17:30~)

グッチ(ミラノ時間12:30~/日本時間は、同日19:30~)

エトロ(ミラノ時間14:00~/日本時間は、同日21:00~)

フェンディ(ミラノ時間18:00~/日本時間は、翌23日(火)01:00~)

ブリオー二(ミラノ時間20:00~/日本時間は、翌23日(火)03:00~)

■6月23日(火)

ジョルジオ・アルマーニ(ミラノ時間10:30~/日本時間は、同日17:30~

 

Have a nice weekend!