箸が使えないCA・・・しつけと行儀 | 東京Crew倶楽部 ~客室乗務員(CA)の世界~

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フライトにまつわることからCAたちのプライベートまで♪ 元ベテランチーフパーサーが語っています

教え子のイギリス人CAが

教えてくれたことだが・・・・

 

子供が友だちの家に遊びに行くとき

親は子供に

"Mind your P's and Q's"

"Mind your manners"

といって送り出す

 

意味は、「行儀よくしていなさいね」

PはPlease、QはThank youを表している

複数形になっているのは

「何度も、PleaseやThank youを言いなさい」

 

もうひとつの”Mind your manners”は

「マナーを忘れないようにね」

やはり意味は、「行儀よくしていなさい」となる

ここでもマナー(Manners)は複数形

 

家の中で子供たちが

飛んだり跳ねたり、悪さしたり

 

そのとき、親は

"John Smith、behave yourself"

自分の姓と名を呼ばれたら

叱られるときなのだ

John Smithと言われただけで

神妙になる

 

そうやって子供をしつけていく

 

そうするとレストランに行っても

大きな声をあげたり騒いだりしない

 

子供と犬はしつけが必要

そう考えているイギリス人は多い

 

 

私がCA訓練の教官をしていた当時

日本人CA訓練生にも

ファーストクラスサービスを教えていた 

 

モックアップでの実技訓練で

ワゴン上にある和食の前菜を

お客様の目の前でお皿に盛り付ける実技

 

お箸をちゃんと使えない訓練生がいた

 

「そんな箸の使い方でサービスしたら、お客様がビックリするぞ。おたくのCAは箸の使い方も知らないのかって」

「おまえさんの親は、注意しなかったのか」

 

何日かたって、その訓練生が寄ってきた

「教官、私の箸の持ち方がちゃんとしているのを見て、両親がビックリしていました。いままで何度言っても直さなかったのに・・・と」

 

ちゃんとした箸の持ち方ができない

それは、恥ずかしいことだと知って

必死になって練習したのだろう

 

箸づかいができるようになった

 

ここまでは行儀の域

その次に来るのが礼儀(作法)

 

お茶事、お見合い、公式な宴席など

箸置きから箸をとり上げるとき

正式なやり式を知っておく

 

箸の持ち方ではなく、とり上げ方

人はそこも見ている

 

 

今や、TV東京の「ワールドビジネスサテライト(WBC)」のメインキャスターになっている大江麻理子さん

 

新人アナウンサーの頃は

さまぁ~ずの2人と街歩き

誰もが知っている「モヤモヤさまぁ~ず」

 

町歩きの途中で

食堂や喫茶店に入って

たいてい食事をする

 

彼女はいつも正しい箸のとり上げ方

右手で持ち上げ、左手で支え

次に右手に持ち換える

それをさりげなくやっている

 

たぶん一事が万事そうなんだろう

大学時代は中国留学

この娘は伸びていくだろうな

 

「モヤモヤさまぁ~ず」を卒業

若手なのに、ニューヨーク支局へ転勤

ニューヨークから経済レポート

 

すごいなと思っていたら

TV東京のワールドビジネスサテライト(WBC)

そのメインキャスターに抜擢

 

 

エチケットを知っている

 

まずは行儀(作法)、そして礼儀(作法)

まずはマナー、そしてエチケット

 

行儀がよい、マナーがよい

 

よい悪いで判断するのが行儀やマナー

そして時に、しつけが伴う

 

礼儀にかなっている、礼儀を知っている

エチケットにかなっている

エチケットを知っている

 

知らないとできないのが礼儀作法やエチケット

 

訓練部の壁にかかっていた額縁を思い出す

「知っていても、やらなければ、知らないのと同じである」

 

そんな思いでいる今日このごろ

 

T・K  ♂