ヨーロッパでテロが多発している
犠牲者の方々に
衷心よりお悔み申し上げます
テロが起きるたびに
乗務出発ブリーフィングでは
上司から
「街に出るときは
人が多く集まる場所は避けるように」
と注意がある
皆、気をつけながら
ロンドンやパリの街にくり出している
9.11ニューヨークテロで崩壊した
貿易センタービル
あそこの展望レストランは
観光客の人気スポットだった
Crewたちもよく食事に行っていた
事件は、観光客の少ない朝に起きた
昼だったら・・・
避けようにも避けられないこともある
かなり前のことだけど
印パ戦争のとき
泊まっていたパキスタンのホテル近くで
突然、砲弾が炸裂した
どんどん砲弾が飛んでくる
そんなの誰も聞いていないよって感じ
なんの情報も入って来ない
誰かの部屋に集まり、身を寄せ合う
窓ぎわに、ベッドのマットをおき
砲弾の風圧で
割れたガラスが飛んで来ないようにする
次の日も、砲弾が近くまで飛んでくる
それが一週間続いた…
クェートといえば
イラクのとなりの小さな国
そこにイラク軍が突然侵攻してきた
Crewたちもクェートに泊まっていた
ホテルが包囲され、他の宿泊客とともに
全員人質として拘束された
トイレもままならず
お風呂も入れず
たべものも足りない
着の身着のまま
人質生活が1ヶ月続いた
やっと救援がきて
そこで解放された
Crewは、大地震やホテル火事にも遭う
日本・台湾をはじめ
フィリピン、インドネシア
アラスカ、カリフォルニア、チリ
太平洋沿地域では
ときどき大地震が起きる
フィリピンでは
最近もM7クラスの大地震があった
その前に起きたのはバギオ大地震
バギオは軽井沢のような高級リゾート地
お金持が暑いマニラから逃れて避暑に行く
マニラ市内も揺れに揺れた
ホテルの10階はさらに揺れた
壁にヒビが入り始める
ちょっとヤバいかな
服を着る
とりあえず脱出しよう
階段をおりてホテル玄関へ
他のCrewも降りてきていた
その翌年
こんどはピナツボ火山が大噴火した
市内からドライブで2,3時間で行ける
箱根みたいなところ
風光明媚な火山地帯で有名
このときも揺れた、揺れた
アラスカ州のアンカレッジで
泊まっていたホテル目の前の広場
野球場くらいの広さがあった
そこが、3メートルくらい陥没している
アラスカ地震の爪痕がしばらく残っていた
このホテルで火事騒ぎがあった
調理室から煙がもくもくと出ていたらしい
皆、サイレンの音で
なんだ、なんだ、なんだ
となった
ホテルに泊まっていると
ときどき火事騒ぎに遭う
だから
チェックインして部屋に入る前に
避難方法を確認しておく
そして
Crewたちは
いつでもすぐに服を着られるようにしている
他のCrewの部屋番号も聞いておくのだ
T・K ♂