ニッポンの医療を考える2/「もう〜いくつ寝ると♪」 | 東京中央美容外科【TCB仙台院】 院長 安本 匠 美容外科の匠

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「もう~いくつ寝ると♪」お正月ですね。この歌で思い出すのは、夏休みが近づくと前職の上司が手術中に口ずさんでいた歌です。「もう~いくつ寝ると♪夏休み。夏休みには・・して」となります。夏休みの予定を楽しそうに全部歌にするんですね。

心臓血管外科医にとって、夏休みは格別の存在です。それは土日祝日も関係なく毎日出勤、夜通し手術して翌日も手術、そして当直という暮らしから唯一解放される期間、現実逃避できる時間、それが夏休みだからです。おそらく、前職は恵まれていた方で、その唯一の夏休みすらないブラック医局もあるかも知れませんね。

夏休みは9日間もらえました。9日間をどう使うか、どの時期に取るか、行きたいところをどう割り振るか、どれを諦めるか。いろんな葛藤がありましたね。日々の生活が忙しすぎて、家族と話すこともできないで夏休みを迎えたこともありました。行き先は前日の夜に決めて、旅先でホテルを調べたり予約しながら移動したこともありましたね。

夏休みも半分を過ぎると、あと何日でまた出勤かと。重症のサザエさん症候群になるんですね。9日間を消化する頃には、廃人になっているのです。休み明けに廃人になった上司が、まだ夏休みを消化していない下っ端を恨めしそうに見つめるんですね。

わずか数名のチームでその地方の何十万という人命を預かっている責任感。そういったものが彼らを突き動かしているのでしょうか。広く外科や内科、救急、麻酔、全身管理を学んできたプロですから、その気になればいつでも辞められるし、何でもできてしまう人たちです。彼らがこの先、現状に疑問を感じたとき、自分の人生や家族の人生を日本の医療の為に捧げ続けてくれるという保証はどこにもありません。「医者だからそのくらい当たり前だろう?」きっと日本人の誰もがそう思っていて、私自身も思っていました。辞めてみて初めて、それが当たり前ではないことがわかりました。

もう何年も新入医局員がいませんなんて医局もあるでしょう。このまま、心臓血管外科医が減っていくとどうなるでしょうか。施設の維持が難しくなり、その地域から心臓血管外科が確実に消えます。すると、今まで救えていたであろう命が救えなくなるのです。あまりご存知ないでしょうが、搬送先に心臓血管外科があれば救えた命というのは、今でもたくさんあるんですよ。

大丈夫ですか?ニッポンの医療。もうそろそろ、抜本的な改革をしないと、本当に必要な医療を今後も継続していくことは困難な状態になると思います。ちょっと考えただけでも、極めて有効な改革案はたくさんありますが、誰も実行しようともしない。社会の仕組みを変えるのは難しいものです。今日はこのくらいにしておきましょう。

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