まずは人気調査にご協力下さった皆さま、ありがとうございました。日曜発行目指して鋭意編集中です。
「新しい配布様式」も模索中です。
いよいよ決戦ですね!
その前に……
今季慶應の長谷川投手が、明治戦で初打席で満塁ホームランを放ちました。
中継ぎ投手の満塁ホームランということで、すぐ思い出したのが、「新田二郎の満塁ホームラン」でした。
1990年春のことです。
よくよく考えると、私は実際には観ていないはずなのですが、実際に観ていた姉から聴いていたからでしょう。長谷川投手のホームランを観てすぐに「ニッタジロウ」を思い出しました。
ということで、いなほみのりさんの回想録をお読み下さい!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
いなほみのりの回想録
12年ぶりの早慶決戦を呼んだ新田二郎の満塁ホームラン
平成2年(1990年)春季リーグ戦第6週、土曜日に早稲田が立教に先勝した後、慶明戦は雨で中止。日曜日は立教が雪辱し、月曜日に行われた3回戦、早稲田は立教に勝ち、勝ち点4とし、15季ぶりの優勝に一歩前進した。
第二試合は慶應先勝で迎えた明-慶2回戦。すでに勝ち点を一つ落としている慶應は負けられない一戦。勝ち点4で早慶戦を迎える早稲田は3敗しており、慶應は明治戦、連勝で勝ち点3とすれば、勝ち点を取ったほうが優勝という早慶決戦に持ち込める。
しかし・・・
一塁側学生席の外野席側の片隅には少なからぬ早大生が残って慶明戦を見ていた。
劣勢の中、慶應リーダーによる「塾生注目!」が始まる。
その途中、突然彼は左を向き、「早稲田の皆さん、注目!」
えっ? となるが、そこは母校の試合が終わっても第二試合までしっかり観て行く強者たち、すぐ
「なんだ~!」
と返す。
途中忘れたけれど、結論
「早慶決戦やろうじゃないか!」
「そうだ~!」
大盛り上がり。
そして4対1で明治リードで迎えた8回裏。慶應は宇佐美のスリーランで同点とすると、その後また満塁のビッグチャンスを迎える。
バッターは慶應四番手の4年生投手・新田二郎。大作家と同名(字は違うけど)ということは注目されていたが、バッティングに関しては聞いていない。
当然代打でしょう、と思ったら、そのまま打席に。
え~? うそでしょう!! 前田さんどうしたの?
当時、かの早慶6連戦の時の監督・石井連蔵氏と前田祐吉氏がそれぞれ二度目の監督をしていた。
しかし・・・新田の打球はレフトスタンド一直線。満塁ホームラン!
この回一挙7点奪い、明治をを倒し、そして12年ぶりの早慶決戦へ。
翌日の紙面は、新田二郎、早慶決戦の文字が踊っていた。
12年ぶりの早慶決戦は、一週間前からテレビ、新聞で特集の嵐。神宮は当然大入り満員。1勝1敗で本当の決戦となった3回戦は急遽NHKで放送されるなど、思えば六大学最後の栄光の日々だった。
このシーズン、早稲田が勝ち点5の完全優勝を果たしたのだった。
今季慶明2回戦での長谷川投手の満塁ホームランで、新田二郎投手の一発を思い出したのは私だけではないだろう。
今季の優勝は果たして・・・?