当たり前のことだけど、どの土地にも東西南北があって、方角を冠した地名が存在しています。
先日、大阪の「北浜」界隈を訪ねてレポートしたばかりですが、奇しくも今回は高松の「北浜」のお話です。
高松市は北を瀬戸内海に面していて、城(玉藻城)も海城、江戸期の「参勤交代」の出立は船旅でした。
蔵が並ぶ荷揚げ場は城の東側に形成され、城や城下の物流の拠点となりました。
(▲「高松城下図屏風」より。東西南北を分かりやすくするため上下左右を変えています。)
荷揚げ場は時代を超えた物流拠点として現代にも北浜倉庫群を為し、、、やがて、、、
いやあ、びっくりしました。
1か月くらい前にぼんやりテレビをつけていたら、池上彰氏が「Booking.com. “今行くべき観光地”として日本で紹介されているのが、香川県なんです・・・・」え?え?え?耳を疑いましたよ。
そりゃあ、住み易い所ですが・・・でも、なんで?
放送によると、瀬戸内芸術祭(3年に一回、瀬戸内海の島々を舞台に新進芸術家らによる自然と調和した芸術作品展示の祭典)や、高松の「北浜」あたりが「行くべき」と海外観光客に大人気とのことです。
実は、軽い噂を聞いて、北浜を散歩したことはありました。
けれど節穴の眼を持つ私には、海に面した古い倉庫群にしか見えませんでした。
そして、所用があって再訪したのがこちらカフェumie。
なんてことでしょう。なるほどこれは外国人観光客に喜ばれるわけです。
レトロな空気感に包まれ、海を眺めながら飲むコーヒーは格別です。
一帯にチャペル、カフェや雑貨店、パン屋さんなどがならんでいます。
古い倉庫に見えたものは、実際に昭和戦前から使われていた建物です。
高松は空襲により悉く焼けてしまったのですが、この地はかろうじて爆撃を逃れました。
(▲「高松空襲戦災史」『焼失地域図』より抜粋)
▲(下方が北。現・北浜アリーは石油倉庫群のあたりかと。昭和8年高松市明細地図より)
北浜アリーはJR高松から徒歩15分ほど。
右手に高松城、左に瀬戸内海を見ながら歩いていけば良いだけなのですが、下手すると当方のように見過ごします。
このひっそり感がまたポイントなのでしょうかね。
▼こちらは、北浜アリーから徒歩3分の「カフェスタイルハヅキ」。昭和16年築の建物。
▼かつての高松の玄関口は、今は静かな佇まい。
大阪の北浜も良いけど、高松の北浜もなかなかです。