12月17日(日)、今年最後の行事となる『練香づくり体験』を開催しました。講師は4年前に続いて「香老舗 松栄堂」さんにお願いし、23名が参加して阿佐谷地域区民センターで開催しました。



茶道ではよく使われるお香ですが、香りの良い植物などを神様や仏様に捧げる習慣は、古くから世界中の宗教で行われていたそうです。


日本にも仏教とともに伝わったと言われ、中でも香料を粉末にして蜜を加えて練り合わせ、加熱して香りを楽しむ練香は「薫物(たきもの)」と呼ばれ、平安の貴族たちに愛されました。




その材料はアジア・中東・アフリカなどから運ばれたもので、これらを調合する技術と経験は限られた貴族の家だけに伝わり、その製法は門外不出だったそうです。



今回はその中でも代表的な「梅花」という薫物のレシピを参考に、参加者それぞれが材料を調合しました。「梅花」は珠光、紹鷗、利休にも愛用された練香です。



まずは香りを確かめながらそれぞれの香料を乳鉢に入れます。そして最後に炭を入れます。上の写真に見える茶色い粉は香料、黒い粉は炭です。炭には香りがないのですが、加熱されると熱を吸収して香料の香りを立たせる効果があります。練香が黒いのは炭が入っているためです。



香料と炭を入れたら乳棒で混ぜます。



混ざったら蜂蜜を入れます。



乳棒でよく練ります。



練り上がったら少量を手に取り、丸めながら形を整えます。



できあがり!



こんなにたくさんできました♪



香料は加熱すると香りが強くなるので、香炉でたいて香りを確かめてみました。私は炭を入れすぎたせいか、練り上げる際に蜂蜜がたくさん必要となり、思っていたより甘い香りになってしまいました。




最後に銘をつけたら完成です。先生にお許しをいただいて、さっそく来年の稽古で使ってみたいと思います!


貴重な体験の機会を企画してくださった行事委員長のみなさん、ありがとうございました。(R.K.)