2026年7月18日、「南方録」講座が阿佐谷地域区民センターで開催されました。
講師には、『南方録』を研究されている早稲田大学の櫻本香織先生をお迎えしました。
講座の前には呈茶があり、一服のお茶をいただきながら和やかな雰囲気で開会を迎えました。
また、京都に出向かれていた先輩より京都・祇園祭にゆかりのある銘菓「鉾餅」の差し入れもあり、参加者一同、美味しくいただきました。
講座前から活力が注入されました、本当にありがとうございます!
左上「鉾餅」
右下 大吾「短夜」
いよいよ講座開始!
講座では、受講者の多くが『南方録』という名前は知っていても実際に読んだことはないという状況を踏まえ、その成立や構成、歴史的背景などを基礎から分かりやすくご説明いただきました。
櫻本先生は裏千家学園のご卒業生でもあり、在学中の思い出や研究者として歩まれてきた経緯、研究の中での興味深いエピソードなども交えながらお話しくださり、終始引き込まれる講座となりました。
講座の終盤には質疑応答の時間が設けられ、参加者から次々と質問が寄せられました。
先生は一つひとつ丁寧にお答えくださり、活発な意見交換が行われました。
講座終了後には、櫻本先生を囲んで希望者による昼食会も開催されました。
講座の続きを伺っているような雰囲気の中、お茶や研究に関するお話をさらに詳しくお聞きすることができ、大変有意義な時間となりました。
特に印象に残ったのは、先生が「南方録はまだまだ分からないことだらけです。しかし、だからこそ研究しがいがあり、面白いんです。」と笑顔でお話しされていたことです。未知の部分が多いからこそ探究する喜びがあるという研究者としての姿勢が、とても印象に残りました。
私が今回の講座で最も印象に残ったのは、『南方録』「覚書」の冒頭に記されている「小座敷の茶の湯は、第一仏法を以て修行得道する事也」という一文でした。
この言葉を聞いたとき、「この一文こそが『南方録』全体の根幹となる思想ではないか」という疑問が生まれ、講座の質疑応答や昼食会でも櫻本先生に質問させていただきました。
その際、先生から、この部分について研究されたご自身の論文をご紹介いただき、後日拝読しました。
論文では、『南方録』冒頭の思想的背景や禅との関わりについて詳しく論じられており、講座で学んだ内容をさらに深めることができました。
論文はこちらのリンクから読むことができます。https://share.google/0ErFmNtvAvQ6iUafA
私自身、5年前から毎朝坐禅を日課とし、月に一度の坐禅合宿に参加しています。
禅の師匠や先輩方の多くは茶道にも励まれており、「茶道と禅は深く結び付いている(茶禅一味)」と教えていただいてきました。
現在も茶禅一味に関する地域イベントを開催させていただく機会に恵まれております。
そのような環境の中で、私も自然と茶道を学ぶようになりました。
これまでは、茶道と禅は精神的な面で通じるものだという理解でしたが、『南方録』には「茶の湯は仏法をもって修行し、道を得るものである」と明確に示されており、その思想が書物として残されていることに大きな感銘を受けました。
これを機に、日々の坐禅や茶道の実践に生かしていきたいと思います。
櫻本先生や企画・準備いただいた運営の皆様に心より感謝申し上げます。
(T.N)

