東京都知事選投票日まであと4日。

 

 ”世の中を  ゆりなおすらん  日の始め ”は、小林一茶の有名な句です。

 

 

さて、5月に行われた静岡県知事選挙の投票率は35%、

残りの65%の県民は県政にさほど関心がなかったということです。

 

私も以前はそうでした。

忙しいこともありましたが、休日に投票に行くことはほぼありませんでした。

 

 

 

 

”選挙”で思い出す出来事があります。

 

親の介護が迫り来る頃、ある認知症に関する国際シンポジウムを聞きに行った際のことです。欧米では認知症治療の研究が進んでおり、未来は明るいーというような内容であったかと思います。

最後の質疑応答で、現実に介護でお困りの女性の方々がたくさん手を挙げ質問しました。

介護事業の運営が厳しい、大変であると、救いを求めるかのように、胸の内から声を発せられたのです*。介護に携わる人たちのリアルな生の声です。会場の聴衆は皆さん耳を澄まして聞きました。

すると、登壇者のおひとりであった元官僚の方が、たおやかに一言  ”選挙に行ってください””選挙に行きましょう”とおっしゃたのです。皆さん真剣に頷いていました。それで納得されたのです。

多くの女性が選挙に行きました。私も行きました。東日本大震災が起こる数年前のことだったと思います。

 

当時は国政不信が極まっていた頃で、お灸を据えるとおっしゃていたご高齢の女性もいました。

 

 

ウサギ注*介護保険制度は2000年に施行、介護を通して人のために働きたい、舅の介護経験を活かしたい、資格をとってキャリアを積んでいきたい、女性の活躍の場にしたいという熱い志で介護事業にチャレンジなさった中高年の女性が多くご活躍でした。しかし、介護保険制度という市場原理下でのご苦労があり、理想と現実の葛藤に燃え尽きた女性は多かったと思います。東京都では今もなお介護職員の不足は深刻、老健や特養などの公的介護施設も不足しており、入所待ちの待機者数は全国一です。ウサギ

 

 

*築地市場にある波除神社「お歯黒獅子」は女の力を宿す獅子(2018)

 

 

 

 

今、目の前にある大事なことは何でしょう。

 

選挙に行きましょう。

 

 


 

 

神宮外苑は、渋沢栄一など実業家(&慈善事業家)の呼びかけに、政治家と官僚、国民が未来の子供達への夢を託し、献金・献木と勤労奉仕から造成された大切な杜であり公園です。
都民にとっては誰もが親しみを感じる場所です。戦後、土地の所有と施設運営を望む神宮に、文部省は「国民のために」という条件付で安価に払い下げた経緯があります。
 
*野球場脇にある銀杏並木↑新たな野球場案では根っこが危うくなる。
 
その後、東京都都市計画公園「明治公園」として定められていましたが、2023年、現都知事の許認可決定により民間企業による再開発事業へと大きく様変わりしました。この再開発計画が推進されれば、樹齢百年の樹木の多くは伐採され、公共空間は減り、公共財としての公園ではない、新野球場と高層ホテル&高層オフィスビルの商業スペースへと変貌します。また、13年はかかるという建設工事は、騒音、日照、ビル風などあらゆる問題を近隣住民や観光客に与え、健康・環境面での大きな負荷が懸念されます。ニューヨークにある国連も心配してくださっています。
 
 
 
 
つい先日の6月26日「国連人権理事会」において、「神宮外苑再開発」は人権・気候変動・環境に懸念すべき問題があると提起されました。
都民の方もそうでない方も、じっくりとお考えいただきたい問題です。
 
【ご参考】