東京を舞台にした小説やエッセイ、

東京案内、東京雑学など、

東京にまつわる本を、ご紹介していきたいと思います。



まず、最初は…


乙女の東京―洋菓子・和菓子店、ホテル・旅館、美術館・博物館、雑貨・化粧品…乙女心の東京案内 (.../甲斐 みのり
¥1,575
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先日、マッターホーンのダミエについて書いた日記 の中で

ご紹介した本です。



小さいころから親しんできた洋菓子店・マッターホーン

包み紙が表紙に使われていたため、

書店で見かけたとき、思わず手にとった、この本。


でも、それだけの理由で購入したのではありません。


著者・甲斐みのりさんの本を以前にも読んだことがあって。

京都案内の本をあれこれ探していたとき、甲斐さんの著書

『乙女の京都』『京都おでかけ帖~12ヶ月の憧れ案内に出合い、

そのぶれのない視点に、とっても感心したのです。



『乙女の東京』のなかには、甲斐さんの目で選ばれた

「かわいい東京」が、たくさん集められています。

東京ガイドブックに必須の人気観光スポット、

六本木ヒルズや東京ミッドタウンは、この本には登場しません。

山の上ホテル、浅草花やしき、ちひろ美術館、名曲喫茶ライオン、

泉屋のクッキー、平つかのポチ袋、江戸風鈴…

昭和の匂いのする、ノスタルジックな東京がいっぱい詰まった、

少女の宝箱のよう。

ゆったりと流れる時間を感じさせるような写真もすてきです。



ここで、著者・甲斐みのりさんについて少し。


甲斐みのりさんは、静岡生まれの文筆家。

関西の大学で学んだのち、東京へ転居されました。

「女性の永遠のあこがれをかたちにする」「叙情あるものつくり」を

テーマとした雑貨ブランド「Loule (ロル)」も主宰されています。

著書は、先にご紹介した京都の本2冊のほか、

『甘く、かわいくおいしいお菓子』 『クラッシクホテル案内』

『乙女みやげ』 『甲斐みのり旅のしおり京都』 『京都・東京 甘い架け橋』

など多数。最新刊は、『お菓子の旅』 (主婦の友社・2010年3月)


雑貨やお菓子について、かなり詳しい甲斐さん。

『乙女の東京』の中にも、乙女ごころをくすぐるお菓子や雑貨が満載、です。

「乙女の本棚」の章には、東京にまつわる本や映画、歌なども

紹介されていて。

先日、私が南青山のCOW BOOKS で購入した古書

散歩者のための東京面白倶楽部』 もここに紹介されています。



私は文章を書くことを仕事にしています。

この仕事を始めたときから、目標にしてきたのは、

「“私”というフィルターを通すことに意味がある、そんな文章を書きたい」

たとえ数行の記事であっても、自分自身の目で「これが大切だ!」と

選んだ要素を盛り込みたい、そう心がけて書いてきました。

私が目標としているような仕事を、甲斐さんはされている。

甲斐さんというフィルターを信頼していたからこそ、

私は『乙女の東京』を購入しました。

私のような読者をたくさん獲得しているからこそ、

甲斐さんは多数の著著を出されているのだと思います。



この本は、東京以外の土地に暮らしている人にも、

東京出身の人、東京で生活している人にも、

おすすめです。


そして、男性にも。


「乙女」といわれると、近寄りがたいものがあるかもしれませんが。

甲斐さんの定義する「乙女」とは、

自分が女に生まれたことを意識し、志のある人。

文学や美術作品を好み、感受性が強く、

趣味への邁進などから培った、独自の美意識や審美眼がある女性

                             (『乙女の東京』より)

そんな女性、魅力的だと思いませんか?

男性にも通じるところがあるようにも思います。



この一冊を片手に、東京観光したり、東京土産を選んだり。

ひとり散歩したり、女友達と出かけたり。休日のデートを楽しんだり。


さまざまな場面で、古くて新しい東京の顔を教えてくれる、

貴重な一冊です。



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