歴史のビッグバン-41
さて、今日は国家について書いてみたい。昨日は、民族について牧歌的な話しを書きました。しかし、実際の歴史を見れば、血塗られた厳しい歴史の現実が見えてきます。私の推理としては、遊牧騎馬民族ができたころは、農耕民の収穫の時期に、農耕民の地域に侵入し略奪をし、その後、住んでいた地域に帰っていったと考えられます。そのうちに、農耕民の地域に侵入し、そのまま、その地域に居残り、農耕民を奴隷として搾取したものと考えられます。逆に、動乱が広がるに従い、農耕民が遊牧騎馬民族を傭兵として雇って、農耕民の地域を守ったこともあったと考えられます。そのあとで遊牧騎馬民族に乗っ取られたこともあったことでしょう。しかし、農耕民に対する略奪的な搾取を続けると、逃げ出したり、反抗する農民が増え、かえって生産力が下がってしまいます。以前に書いたとおり、遊牧騎馬民族である鮮卑族が建国した北魏の馮太后は、支配階層の利益を大きくするための方法を考えた。wikipediaの「孝文帝 」に以下のような記述があります。馮太后は政治的な手腕は一流であり、反乱を治め、班禄制や三長制や均田制などの諸改革を実施し、また中央財政(公調)と地方財政(調外)を分離するなど、北魏の中央集権化に務めるなど数々の治績を挙げた。この改革は、簡単に言えば、支配階層である鮮卑族の過酷な略奪や搾取を止める。被支配階層である農耕民に農地を貸し与えて、収穫の中から年貢を税金として取る。といった改革を行った。この改革は、生産が伸びる限り、支配階層にとっても被支配階層にとっても利益となる改革であった。税率がどの程度であったか書いていないので、分かりませんが、画期的な改革であったと考えられます。北魏は、さらに仏教を取り入れるとともに、漢人の文化を大幅に取り入れ、漢人化政策を推し進めた。この改革は、後に多くの国家の基本政策として取り入れられていった。以上の改革は、決して被支配階層の幸福を願ってのことではなく、支配者階層の利益のための改革ではあったが、被支配階層の人々も、この改革を歓迎したものと想像できる。この改革の「問題点」は、支配階層が漢人化という支配手法によって被支配階層に対して「嘘」(ごまかし)をついていることです。この「問題点」を、必要悪と見るかどうかは議論の分かれるところです。そして、永い歴史の中で国家が国民を騙すことに慣れ、一部の人にだけ利益となり、結局、支配階層にも被支配階層にも利益にならないような「騙し」の政策を取るようになります。そして、国家の支配階層全体が腐敗していく例は、数限りなくあります。このことが昔も今も政治の大問題であって、この問題自体の存在も国民に隠そうとする傾向が強い国家が多いと考えることができます。最近の政府の政策にも、そのような傾向を見て取ることができます。歴史というのは、最初は素晴らしい改革であっても、時代とともに、逆に歴史の足かせになっていくことはよくあることです。その都度、政策を時代に合わせて大胆に変えていくことができるかが、人類生き残りのために絶対の必要条件となります。私の感想では、そのような大変換が2000年以上なされていません。大変換をやるにしても、大混乱の危険性があるため急には無理でも、徐々に、しかし、速やかに実行する必要があるでしょう。人から聞いた話しでは、「一万年の旅路」という本があるそうです。これは、アメリカインディアンのイロコイ族に伝わる口承史で、物語ははるか一万年以上も前、一族が長らく定住していたアジアの地を旅立つ所から始まり、アメリカ大陸に渡っていく話しだそうで、生き抜くためのノウハウ集のような貴重で重要な本だそうです。その部族の方針を決めるときには、時間を掛けて、まず調査を行い、全員で徹底的な討論を行った上で決定していったようです。人類は、その初めから、生き残るためにあらゆることを試してみて、失敗、成功を繰り返してきた動物です。失敗は、即ち、死を意味します。その教訓を今に生かすことが重要です。まだ読んでいませんが、ぜひ読んでみたいと思っています。まだ、歴史が始まって3000年位しか経っていません。真剣に考えないと、人類の発明した文明によって絶滅する危険が、まだまだ有ります。それでは、次回に続きます。