〽暮れてゆく 東山 さようなら 鐘の音〽
女優・由美かおる氏の、1972年に発売されたシングル『もいちど河原町』。
タイトルが京都の河原町となっているので、京都を舞台にした作品かと思ったのですが、京都が舞台になってるのは1番のみで、2番は大阪・中之島、3番は神戸・三の宮と舞台が移っていく楽曲となっています。
由美かおる氏の歌手デビューは1967年、クラウンレコードからスタートしていますが、クラウン時代はポップス、あるいはGSチックな若々しい作品が多い印象でしたが、クラウンから移籍したフィリップスレコード時代から落ち着いた、大人の女性視点からの楽曲が多くなっていきます。
『もいちど河原町』もそんな大人向けの作品。
恋人と別れて三日目に河原町、ひと月後に中之島、一年後に三ノ宮とかつて二人で一緒に行った場所に赴き、恋人の影を追っていく女性の姿を描いています。
曲調はアレンジが少しポップス調ではあるものの、哀愁を帯びた、如何にも”昭和歌謡”的なマイナー調の作風で、70年代前半の歌謡界の王道的な作りとなっています。
ヒットしても良かった感じだったんですけど、売り上げ自体はイマイチだったようで、CDでも再販されたのかどうか不明で、ちょっと不遇な扱いを受けてる隠れた良曲です。
【レコードデータ】
レコード会社:フィリップスレコード
レコード番号:FS-1231
発売日:1972年2月?日
A面 『もいちど河原町』
B面 『ふるさとの初恋』
両面とも 作詞:山口洋子 作曲:鈴木淳 編曲:馬飼野俊一