『この世界の片隅に』を観ました。
自分が思わず見入ってしまったのが、
そうした情景やストーリーもですが、
日常風景に織り混ぜられている自然・花々や虫たちの姿の忠実さ
─自分は趣味で花の写真をよく撮るのですが、
映画では、身近な名もよく知られてない花々が、きちんと描かれていて、
ものすごい身近感というか、
まことに自分の住むこの地での出来事だとの感覚がおきて、
映画を観ながら「おお~♪」と声が出そうになり(笑)
その場でスマホに収めてある画像ファイルを取り出して眺めたくなったり(オイ!)しましたw
1枚目の、主人公すずさんの後ろの白い花は、白い椿(ツバキ)でしょうか。
この映画を観る前は、戦争─しかも原爆投下、終戦というもっとも大変な時を扱ったお話しゆえ、
不謹慎かもしれませんが心が重くなる、トラウマになるかも…と、どこか警戒した気持ちがありましたが、
そうした大変な時期でも日常を大切に、平常に生きていこうとする主人公はじめ人々の生きざま…それをリアルに支える細かなところまでの生活や自然界の描写、
気負いしない日常の描写にクスクス笑ったり、おだやかな気持ちにさせられました。
そして物語が原爆投下、戦争終結で終わるのではなく、そこからまたはじまっていくのもいいです。
主人公すずは
ある日突然縁談が持ち上がり、
生まれ育った広島市江波(えば)から
見も知らぬ土地、呉に、
よく知らぬ人のもとへ嫁ぎます。
「うー!?」と声を出しそうになりました。
なぜって、カブトムシのとなりのタマムシって、樹液を吸うんじゃなくて、葉っぱを食べるんだったから─
そうしたら、
白いタンポポのそばに黄色いタンポポが寄り添って咲くかのようなイメージカットがあります。
先にも記したように、白と黄色が同じ株から咲くことはなく、
いささか誤解を生むようなこの構図に、映画を観る前は、いささか疑問符が沸いたのですが、
嫁いで来た呉の環境や、そこの人々を白いタンポポに、
黄色いタンポポが、すずさんという、
監督が対談でも語っている、意図された演出であり、
そうした後日─
こんな寄り添った風景に実際出会いまして…
ありゃー♪
アニメのドラマが
まるで実際過去にあった出来事で、今も脈々と紡がれているようで、
すずさんが実在してこの世界のどこかにいらっしゃるみたいで─
思わずその場で声が洩れて
この日はすんごく嬉しくなりました。
8月6日、広島に想いをよせて─