鯉幟に願いを託して | おひとり様で90歳~風にふかれて気の向くままに

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91歳一人暮らしの日々感じたこと綴ってます。

歌うこと、手芸、書くことが大好きなおばあちゃんです。

今まで書きためていたものを少しずつブログへ投稿していきたいと思ってます。

高齢の母に変わり娘、孫が投稿しています。どうぞよろしくお願いします。

五月と言えば何と言っても鯉幟り。

緑の風をお腹いっぱいに孕んで

空を泳ぐその姿は

とても勇壮である。


最近では川岸から川岸へと渡されたロープに

繋がって色様々な鯉たちが、

何十匹も空を舞う姿も

この季の風物詩になっている。



飾られている橋まで元気な頃は

見に行っていたのを思い出す。

子供たちの手作りの鯉も一緒に泳いでいて

逆にエールを送られていた気がする。


マンションブームになって

団地サイズの可愛らしい小柄な鯉も

ベランダで見掛けるようになった。

私もコンパクトなマンション生活になって

十年余りが経っているが

1階なので1寸した広さの庭があって有り難い。


数年前に一軒家を建てて転居した

お隣さんの息子さんが誕生後は

毎年風薫る頃になると

早々と鯉幟が立っていた。


大きな真鯉に緋鯉と紫色の子供の鯉

からからと矢車もよく舞って風向きによっては

フェンス越しに我家の庭にも尻尾が入って来て

楽しませてくれた。


鯉幟はおばあちゃまからのプレゼントの

ご自慢の鯉だと眺めていた。


「雛人形は早く仕舞わないとお嫁に行きそびれる」と

昔から伝えられているけれど

男の子の場合はそのようなことも無くて

ママさんが五月の下旬迄結構長く

鯉幟を泳がせてくれたので

私も一緒に子供の成長を願った。


今思うに、八人兄弟姉妹で育った私の

子供の頃の鯉幟はとても大きくて

材木商をしていた庭の敷地に

真鯉と緋鯉、そして子供たちが雄々しかった。


あの時から歳月は流れ天長節(天皇誕生日)は

昭和の日としての祝日に変わった。

大人の一年は子供の六倍早く過ぎる。

「ジャネーの法則」だと聞いているが

全くその通りだと思う。


昭和は遠くなりけりである。


無感動な老い生活に、四季の変化を求めて

今年も手芸の会で作った鯉幟りを

玄関先に飾り未だに仕舞わずに眺めている。


未来を背負う子供たちのために世界平和を🍀