『医師として初めての看取り』『①孤独死の患者』『➁悲惨な延命治療』 | けいきちゃんのブログ

🌸きまざまな死のパターン1

 

 ☆文字ばかりで恐縮ですが、医師側からの『看取り』の内容なので

 ☆何か『人間のライフクロック』を感じさせられます

 

医師としてはじめての看取り
 ☆筆者が、はじめて患者さんの死を看取ったのは

 *アルバイトに行っていた当直先の病院

 *勤務していた大学病院では、あまり患者さんは亡くなりません

 *大学病院が治癒の見込みのある患者さんにベッドを確保するため

 *死ぬとわかっている患者さんを積極的に受け入れない
 ☆看取りを経験すると、何となく医者として箔がついたような気がした

 *看取りの場数を踏めば踏むほど、興奮も収まり

 *人の死に対して余裕を持った態度が取れるようになる
 ☆初看取りをしたのは、臨時で頼まれて行った病院

 *「急変です」という看護師の声に私は緊張した

 *自分なりにシミュレーションをしつつ病室に向かう

 *白衣のボタンを留め、看取りの″儀式”を思い浮かべつつ

 *指示された病室をさがすと、そこは個室ではなく大部屋でした

 ☆深刻な面持ちで部屋に入ると

 *ベテランの看護師がベッドの横に控えていて

 *患者さんはすでに下顎呼吸になっていた
 *「ご家族は」と聞くと、看護師が黙って首を振ります

 *カルテを見ると、医療保険は生活保護でした
 *患者さんの女性はがんの末期でしたがまだ六十代半

 ☆「儀式は」と上目遣いに聞くと

 *看護師は「身寄りもないので」と小さく答えました

 *″儀式”は家族の納得のためにするものですから、必要ない

 *筆者は患者さんの胸に聴診器を当てました

 *雑音の交じった弱々しい呼吸音が途切れ途切れに聞こえました

 *心音はすでに途絶えていて、最後の息はほどなく来ました

 ☆「確認してください」看護師に言われて

 *筆者は瞳孔の散大と呼吸停止、心停止を確認し、時間を告げました

 *家族もおらず、″儀式″もなく、筆者は臨終は告げました

 *聞く人も看護師以外にいなく、身寄りもなく、たった一人で

 *見も知らない若造の医者に看取られた、あの患者さんの一生とは

 *あまりに淋しい人生の終わりではないのか

 *いろいろな思いが浮かび、その夜は安眠できませんでした

悲惨な延命治療
 ☆他科研修して、外科にもどって驚いたのは

 *先輩の医師たちが死にゆく患者さんをあまり熱心に治療しないこと
 ☆ある先輩が主治医だった患者さん

 *手術後に重症になり、人工呼吸器をつけていたが、肝機能が落ちてきた

 *先輩は積極的な治療をしなくなった

 *肝機能が落ちても、血漿交換という治療法があります

 *なぜベストを尽くさないのか

 *外科医としての経験の浅い筆者

 *先輩に、義憤のようなものを感じました
 ☆筆者担当の患者さんが、手術後、重症になりました

 *手術操作に落ち度はなかった

 *手術後に原因不明のけいれんが起こり、肺炎を併発した
 *手術後も人工呼吸器をつけたまま術後管理をしていた

 *手術の翌日、肺炎を起こすと呼吸機能が急速に低下しました

 *それは人工呼吸を続けることで凌げます

 *抗生物質の多剤併用等できるかぎりの治療を試みました

 *それでも状況は改善せず、次第に腎機能も低下してきた
 ☆治療方針を決めるカンファレンスで内容を報告すると

 *部長をはじめ、先輩の医師たちは眉をひそめ、むずかしい顔になった

 *治療の中止を勧める雰囲気でした

 *筆者は、腎機能の低下を補うため、人工透析をしたいと副院長に直訴

 *副院長はいい顔をしませんでしたが、許可してくれた
 *透析はポータブルの透析器を病室に持ち込んで

 *透析はじめると、 血液中の老廃物の値が下がり、効果が見られた

 *しかし、肺炎は改善せず、全身状態も徐々に悪化した

 *DICという全身の出血傾向が出る状態になった
 ☆その段階でも、筆者は治療をあきらめず

 *患者さんは、顔もむくんで手術前の面影を失い

 *胃や腸からの出血による下血は、輸血で入れた分出るような状況

 *それでも強心剤と人工呼吸のせいで心臓は止まらず

 *身体は膨れ上がって生きたまま腐っていくような状態になった

 *家族はその間、ずっと不安と絶望に打ちひしがれていたと思う
 ☆手術から2週間あまり、筆者はずっと病院に泊まり込み

 *夜中も寝ずに治療を続けましたが

 *患者さんを救うことはできませんでした

 ☆最初は患者さんを死なせまいと

 *懸命にはじめた術後管理でしたが

 *途中から先輩の医師たちが徹底的な治療をしない意味を

 *徐々に理解しはじめていました

 ☆医療はやりすぎると恐ろしいことになる

 *身をもって体験しました

                       (敬称略)
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⛳出典、『人はどう死ぬのか』

 

 

 

 

『医師として初めての看取り』『①孤独死の患者』『➁悲惨な延命治療』

(ネットより画像引用)