🌸人が悪魔に変わる時3
☆強大な国家権力やイデオロギーの下僕となって
*生きた人間の肉体を弄んだフエアシユアーやヒョップナーらの所業
☆本来の科学的精神をゆがめる明白な犯罪でもあった
☆約50年前、どんな人間でも残虐行為に走る心理学の実験
⛳″監獄実験が利用された”戦争犯罪
☆人々に衝撃を与えたジンバルドーの監獄実験
*倫理性を厳しく問われ、実験は2度と行うことができなくなった
☆恐怖の実験は思いもよらぬかたちで現実のものとなる
*アメリカで同時多発テロが発生
*ブッシュ大統領は″テロとの戦い”を宣言
*タリバン政権のアフガニスタンに侵攻
*大量破壊兵器を所有しているという疑惑を根拠にイラクヘ侵攻する
☆イラクで「監獄実験」が現実となる事件が起きた
*バグダッド近郊のアブグレイブ刑務所
*イラク人捕虜が収容されていたこの収容所で
*米軍が非人道的な虐待を行っていたことが発覚される
*刑務所内で撮影された画像が、内部告発によって公表された
*首に犬用のリードをつけられた全裸の捕虜
*性的なポーズを強要された捕虜
*犬を使って威嚇されている捕虜
*これらはどれも肉体的な苦痛ではなく
*心理的苦痛を与える虐待である
⛳明るみに出た心理学者の戦争関与
☆科学者が自ら積極的に軍事利用に関わっていく
*科学者個人の関与でなく、学界全体が関与したとなれば
*テロとの戦い”が続くアメリカで、衝撃的な事件が起きた
☆同時多発テロ以降
*アメリカはテロ組織の情報収集に力を注いでいた
*重要視したのが、捕虜への尋問
*アメリカ心理学会は軍と深く結びつく
☆アメリカの情報機関CIA
*効率的に情報を引き出す尋問方法の作成を
*アメリカ心理学会所属の心理学者に極秘に委嘱
*依頼を受けた科学者は、それまでの研究成果を活用して
*「強化尋問技法」の効果的な尋間の技術を確立した
☆「強化尋問技法」がイラクでも使われた
*残酷で非人道的な尋間が行われたことへの批判が高まり
*心理学者の関与が疑われた
*アメリカ心理学会は「尋問への関与」と「事実の隠蔽」を認めた
*学会の中枢を担ってきた幹部は辞任
*国家安全保障に関わる尋問への関与を改めて禁止した
⛳科学者と国家の関係
☆科学と戦争は、歴史を通じて常に密接な関係を持ち続けてきた
*兵器の威力こそが勝敗の決め手となると同時に
*死傷者の数を格段に増大させることになった
*戦場には兵士を礫き殺して驀進する戦車が投入され
*開発されたばかりの毒ガスは100万人に及ぶ死傷者を出した
*科学の力が、そのまま国家の力となった
☆イラク戦争で非人道的な拷間に加担した」アメリカ心理学会
*「心と行動の科学」は、いつたい誰のための「科学」なのか
*世界の人々の平和のために科学を生かすべきだ
☆ジンバルドーにしても
*自らの知見を社会に生かすという意味では、監獄実験の結果をもとに
*社会に対して警告を発することができたかもしれない
☆近代科学、特に生命科学の発展
*ヨーロッパの文明世界で神が創造したと信じられてきたが
*人間の肉体と精神は、”偶然”が積み重なった進化の産物である
*すべては細胞や遺伝子、神経伝達物質やホルモンなどの
*「物質」と「化学反応」で説明できることを明らかにしつつある
☆メアリー・シェリーが小説『フランケンシュタイン』に書いたように
*人類が生命の謎をすべて解き明かし
*神にも似た創造主になれるかもしれない誘惑を生み出した
☆フランケンシュタインが制御不可能な
*怪物を生み出して物語と同様
*自省を欠いた科学の営みによって
*大きな災いが幾度となくもたらされてきた
☆加速度的に高度化し複雑化する「科学」を前に
*私たちはそれを正しく制御していく
*知恵や倫理を持ち続けることができるだろうか
☆フランケンシュタインの誘惑は、今もなお私たちを捉え続けている
(敬称略)
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⛳出典、『闇に魅入られた科学者たち』
『アブグレイブ刑務所の残虐行為』『強化尋問技法』
『フランケンシュタイン』
(ネットより画像引用)