🌸「大衆の狂気」を生き延びる7
⛳まともなひとは、歴史問題で外国人を批判しない
☆人種問題やジェンダー問題
*「白人だから」「男だから」という理由だけで
*身に覚えがないのに批判される不安が広がっている
☆JRが通勤時に女性専用車両を導入
*「男性差別」だとする抗議行動が起きた
*「自分は痴漢しないのに、性犯罪者として扱われている」という怒り
☆どこの国であれ″まともなひと”
*過去にその国が″加害行為″をしたからといって
*戦争や植民地化に直接、加担したわけでもない
*旅行者や留学生を批判し、不快にさせるのが
*バカげていることはわかっている
☆広島の原爆ドームを訪れた若いアメリカ人に
*「原爆投下の責任を取れ」と詰問する右翼がいたら
*多くの日本人は、理不尽だと考え、そのアメリカ人に同情する
☆アメリカの大学には人種問題の授業がある
*これは白人学生にとって現実の問題になっている
*いったいどのように答えればいいのだろうか
⛳個人は国家の過去の加害行為に責任を負うべきか
☆日本では慰安婦問題などで
*「現在の価値観を過去に当てはめるな」との主張がなされることがある
☆これが正しいとするなら
*大航海時代の奴隷貿易やアメリカの奴隷制
*その当時は「合法」だったのだから
*欧米諸国は過去の行為になんの責任も負う必要がないとなる
☆ホロコーストも、ドイツ軍の占領地域はドイツ国内法の管轄外
* 一種の治外法権だったのだから
*「違法性はなかった」とすることも可能だろう
☆現実には、こうした主張をする者は
*「レイシスト」「歴史修正主義者」のレッテルを貼られ
*社会的な排除の対象になる
☆法治国家の原則「法の不遡及」
*法令の効力はその法の施行時以前に遡って
*適用してはならないとされる
☆そのときは合法だったのに
*「法律が変わったからお前を逮捕する」の社会では
*誰も安心して暮らすことができない
⛳法の不遡及は、個人に対しては適用されるとしても
☆法人にそのまま当てはめることはできない
*ある企業が有害物質を排出していたが
*そのときはそれを規制する法令はなかった
☆その有害物質で、近隣住民に深刻な健康被害が発生したと
*法の不遡及によって
*この企業を免責することは正義とはいえない
*典型的なケースが水俣病だ
☆戦争や植民地時代の加害行為についても
*法人としての国家は被害者に対して一定の責任を負っている
☆「リベラル化」が進むにつれて犠牲者の体験が重視される
*国家の責任を追及するハードルが下がった
☆慰安婦問題に日本の右派・保守派が間違っていたのは
*国際社会で「女性の人権問題」ととらえられていることを理解できず
*韓国とのあいだの「歴史戦」だとして
*文献的な事実で、慰安婦の証言を否定しようとしたことだ
☆日本政府は右派のこの論理に引きずられて対応を誤り
*結果、アメリカや欧州議会、国連などで
*日本の謝罪と補償を求める決議が繰り返される大失態を招いた
(敬称略)
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⛳出典、『世界はなぜ地獄になるのか』
「法の不遡及」「個人の責任」「法人(国)の責任」
(ネットより画像引用)