市場は道徳を締め出す4(インセンティブ受け入れない市場) | けいきちゃんのブログ

🌸市場は道徳を締め出す4(インセンティブ受け入れない市場)

市場は、非市場的規範を締め出さないケースもある
 ☆市場価値はどのようにして非市場的規範を

 *腐敗させ、消し去り、それに取って代わるのか

 ☆非市場的規範の生活領域へ市場が入り込む場合でも
 *市場で取引される善が傷ついたり腐敗したりしない考え方

 *次第に信じがたくなっている

 ☆金銭的インセンティブをはじめとする市場メカニズム

 *非市場的規範を締め出し、逆効果にもなりうる

 *ときとして、ある行動に金銭を提供した結果

 *その行動が増えるのではなく減る場合もある

⛳核廃棄物処理場
 ☆スイスは放射性核廃棄物の貯蔵場所設定での出来事

 *施設は地元に押しつけられるお荷物だという見方が広がっていた
 *アンケート結果より、過半数の住民が受け入れると回答した

 *国民としての義務の意識が、リスクにまつわる懸念を上回った

 ☆経済学者たちは〈アメ〉をつけくわえた

 *村民一人ひとりに毎年補償金を支払うことを申し出た

 *結果として、賛成は減り、増えることはなかった

 *金銭的な誘因を追加し、受け入れると回答した住民半減した

 *核廃棄物処理場を引き受ける人々の気持ちに、金銭提供は水を差した

 ☆共通善への貢献を含む道徳的配慮

 *価格効果で、打ち消される場合がある

 ☆経済効率の観点からすると、理解しがたい不合理だ

 *現物の公共財よりも現金のほうがよいはずだ
 *現金で補償を受ければ、自分たちの効用を最大にする

 ☆この論理は市民としての犠牲の意味を捉えそこねている

 *公共的な損害や不都合の補償

 *個人でもらう現金より公共財のほうがふさわしい

 *公共財は、市民の負担と犠牲の分担に、感謝の意を表するものだから
 ☆新しい滑走路やゴミ埋立地を町に受け入れる代わりに

 *町民に払われるお金

 *コミュニティーの劣化を黙認してもらうための賄賂とみなされる

 ☆新しい図書館、運動場、学校など

 *コミュニティーの結束を強め、公共心を涵養する

 *市民の犠牲に言わば誠実に報いるのである

高校生の「寄付の日」の集金結果
 ☆金銭的インセンティブ、公共心を締め出すことが分かっている

 ☆イスラエルの高校生は毎年「寄付の日」に

 *ガンの研究や障害児の援助の目的のために寄付を求めて家々をまわる

 ☆二人の経済学者が、金銭的インセンティブの影響の実験をした

 ☆高校生を2つのグループに分けた

 *第1グループは、短い激励のスピーチを聞かされ、送り出された

 *第2グループも、同じ激励のスピーチを聞かされた

 (同時に、集めた金額に応じて金銭的報酬を出すとも告げられた)

 *多くの寄付を集めたのは無報酬のグループだった

 ☆無報酬のグループの寄付金が多かった理由

 *報酬グループは、高校生にお金を払って善い行ないをさせた

 *その行為の性質が変わってしまった

 *慈善資金を集めるための戸別訪問が、市民の義務を果たよりも

 *歩合を稼ぐという意味合いのほうが大きくなってしまった

 *金銭的インセンテイブ

 *公共心に基づく活動をお金のための仕事に変質させたのだ

 ☆イスラエルの高校生もスイスの村人も同じである

 *市場の規範を取り入れたことで

 *人々の道徳的・市民的献身が排除され勢いをそがれた

 

⛳道徳的・市民的規範

 ☆人々をやる気にさせる費用効率のいい手段として見るだけでは

 ☆規範の本質的な価値を見落とすことになる

 ☆お金の力だけに頼って住民に核廃棄物処理場を受け入れてもらう手段
 *高くつくばかりではなく、腐敗を招くことにもなる

 ☆寄付の日の寄付集めのために生徒にお金を払えば

 *資金調達のコストが高くなるだけではない

 *生徒の公共心を侮辱し、道徳教育・市民教育を歪めることになる

                                               (敬称略)
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⛳出典、「それお金で買いますか」