下関には、平家太鼓という伝統芸能がある。
主に夏の祭りで、披露される。
太鼓・歌・踊りの3つがワンセットになっている。
市内でいくつか団体があり、今も、継承されている。
さて、その3つの内の踊り、平家踊りが今日のテーマだ。
「糸繰り式(いとくりしき)」という、両手を胸から下に下ろさない踊り方と、
「11拍(はく)の独特のテンポ」が特徴だと言われている。
音楽には、拍子(ひょうし)がある。
3拍子や4拍子が多い。2拍子もある。
4拍子の曲の途中で、3拍子になることもある。
こういうのを変拍子(へんびょうし)という。
しかし、11拍子というのは、聞いたことがない。
聞いたこともないくらい、珍しい拍子だ。
しばらく前、平家踊りの踊り方指導動画を、ユーチューブで観た。
年配の女性が、説明して、実演している。
この動画でも、11拍というのは、説明に入っていた。
指導者が踊りながら、拍を数える。
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、じゅー、いち」
11(じゅういち)を、「じゅう、いち」と2拍で数えた。
ここで、世界で一つの神秘の真相が分かった。
それは12拍・・・!
平家踊り、平家太鼓、歌は、単なる4拍子だった。
でも、伝統芸能には、西洋的な音楽理論とは合致しないところがある。
そこに、個性があり、伝統が保存されている。
西洋音楽理論と日本の伝統芸能では、拍や拍子の捉え方が異なるのだろう。
「平家踊りは11拍」というのも、味わいの一つだと思う。
大事にしてほしい。
ほんとは4拍子だけど・・・。