バイオリン教育について、「もっとこうすればいいのに」と、思うこと。
それは、レッスンで習う曲の中に、なじみがある曲が少ないということだ。
バイオリンの教本として広く使われているのは、「鈴木」と「篠崎」だ。
多くは、鈴木を基本にして、必要に応じて、篠崎を併用するという形だろう。
で、一冊当たり、何個も曲が載っていて、順番に習って行く。とばすこともあるけど。
その曲が、なじみがないものがほとんどなのだ。
なじみがなくて、その上好みでもない曲を、次から次へと弾いていくのは、苦痛だ。
子供が、バイオリン嫌いになる一因だと思う。
私は、日本の唱歌など、なじみがある曲を素材にして、教える方が、生徒にとってもいいと思う。
家で練習しているとき、親に、「それ知ってるよ」と言われたり、話の種になる。
完成すれば、自分がバイオリンを弾いて、一緒に歌ってもらったりできる。
この方が、身近に音楽を感じられるだろう。
ザイツの学生協奏曲とか、誰も知らないし、その後、まったく弾くこともない曲を習うより、数倍いいだろう。
そんなことを、よく思う。
あと、練習曲を使わずに、鈴木・篠崎だけで、レッスンを進めるのも、やめた方がいい。
曲は進んでいくけど、いつまでたっても、上達しないから。
ついでにもう一つ書いておくと、弦にピラストロ社のクロムを使うのは、やめた方がいい。
安いからだろうが、初心者は、この弦を使うことになるのが多いと思う。
このクロムの弦は、金属質な音がするのだ。
初心者は、ただでさえ、音が悪い。その上、クロム弦なら、余計キーキー又はギーギーなる。
耳が敏感な子供時代に、耳元でこの音を延々を聞かされるのは、本当に苦痛だ。
私のお勧めは、ピラストロ社のシノクサという弦だ。
これは、お値段もそれほど高くないし、上品ないい音がする。ピッチも安定している。
いい弦、高い弦の方がいいということで、ガット弦に手を出すのも、避けた方がいいだろう。
ガット弦は、弾いている間にピッチが、大幅に変動する。普通の人には、弾きこなすのは不可能だ。弾きこなせたら、最高の音色なんだけど。