№1、前世の母親に会いたいために‥。

「やい!  くそ婆!  金を出せ!」

  と言って母を脅す。

 

高校に入る前は素直な息子だった。

 

主人が生きていてくれれば……………。

 

「主人は息子が中学一年のとき急に亡くなり、

私はパートの収入だけで娘と息子を育てたが、

娘は高校を卒業と同時に

アパートに引っ越したまま

二年も経つのに一度も帰ってこない。

息子は高校に入った頃は真面目だったのですが、

夏休みに入る少し前、

急に非行グループと付き合うようになり、

シンナーやタバコを吸っていたところを補導され、

謹慎を受けたり、

警察沙汰になったりして中退しました。

私は母親とカウンセリングや運命鑑定を受けたり、

ある宗教に入信し

先祖供養や墓参りを言われた通りにしたりしてきましたが、

一向に良くならず、

かえって悪くなるばかりで……」

  と泣きながら切々と訴えかけていた。

 

 

「あなたの実家の家系を教えてください」

 

 

「私は長女で兄と妹の三人兄妹ですが、

実家には母親が独りで住んでいます。

父親が生きている頃は兄夫婦と一緒に住んでいて、

とても仲が良かったのですが、

父親が亡くなってから

母親と兄嫁の喧嘩が絶えないので、

私たち姉妹と母親側の親戚が集まり相談の結果、

兄嫁に出ていってもらうことにしました。

それから間もなく兄が急死し、

後を追うように主人も、

急に亡くなってしまいました………」

 

 

「何故、急にあなたのお兄さんと御主人が亡くなり、

息子さんが非行に走ったのか? 

あなたたち姉妹と母親と親戚の人が命の絆の法則を欺き、

親孝行をして兄嫁を追い出したからですよ。

あなたの御主人とお兄さんは、

性格が真反対になるが同じ魂になり、

母親とも同じ魂になり、

追い出した兄嫁さんとあなたも

性格が真反対だが父親と同じ魂になり

あなたたち姉妹が兄嫁さんを追い出し、

母親をかわいそうだと思ったことが原因で、

母親と同じ魂のお兄さんが亡くなったのです。

非行に走った息子さんと、

あなたたち姉妹が追い出した兄嫁さんとは、

〔前世の母と息子〕になり、

前世の母親を追い出されたことを、

息子さんが

『僕の前世の母親をなぜ追い出したの! 早く詫びてよ』と、

訴えていたのを気づかせるために非行に走ったのです

 

 

「何言っているのよ! 

あなたは何も知らないから勝手なことが言えるけど、

いままで母親がどれだけ苦労したのか………」

 

 

「確かにあなたの気持ちは分かりますが、

あなたがこれから息子さんにどれだけ

苦労するかも考えてみてください」

 

「………………」

 

№2、母親が弟夫婦を追い出した罪。

「あなたが何を言おうとも、

あなたの息子さんがあなたたちに、

前世の母親に詫びることを訴えかけているのです。

あなたの親の家系を教えて下さい」

 

「父親は三男ですが、

兄たちが戦死したので実家を継ぎました。

母親は長女で実家は、

弟長男夫婦が両親と一緒に住んでいましたが、

私の母親が両親と折り合いが悪い弟長男夫婦を追い出し、

下の弟二男夫婦に跡を継がせました

 

「あなたの家系は、

気づくべきことが起きているはずです。

例えば先妻と後妻、水子、不倫や離婚、

アトピーやゼンソク、糖尿病や肝臓の病、突然死、

相続争いや借金地獄など、様々な出来事などが‥」

 

「確かに私の息子の後に水子がいます。

息子は幼い頃、

何度もゼンソクで入退院を繰り返していました。

兄夫婦の処は長男が幼く亡くなっていますし、

母親の実家を継いだ叔父さんは、

糖尿病で長患いしていて、

息子さんは二十歳前に交通事故死をしています。

私の妹は先妻と離婚した男性と結婚しましたが、

夫の不倫が原因で夫婦喧嘩が絶えず、

子供が無く離婚寸前です」

 

№3、禍は詫びの姿。

禍は詫びの姿で、

あなたの息子さんが非行に走った原因は、

あなたの母親が実家を継いでいた弟長男夫婦を

追い出した罪を気づかないばかりか、

あなたたちも同じように兄嫁を追い出し、

親に孝行の賞を取ったので、

息子さんがあなたたちの身代わりになり、

詫びる罪滅ぼしが非行の姿です。

それは〔親が作った罪を子供が受け継ぎ、孫が現す〕

と言うように、

あなたの母親が作った偽善を孫が償いをして、

もうこれ以上、何も起きないようにくい止めている。  

あなたが犯した偽善の罪を息子さんになすりつけて、

嘆き悲しむ姿をして、兄嫁に詫びているだけ」

 

「私が兄嫁に詫びないから‥‥」

 

「あなたの兄が亡くなったときに、

偽善の罪を気づかなかったから、

つぎの段階で御主人を亡くすことをあなたが選んだのだが、

まだ兄嫁に詫びる気がないから、

息子さんが前世の母親を助ける手段として、非行を選んだ」

 

「それでは母親が追い出した叔母の怨みが、

私の兄と主人を殺したのですか?」

 

「怨みではなく、

あなたの母親とあなたたちが求めた結果が死なのです。

元はと言えば、あなたの母親が出しゃばって、

実家を継いでいた弟夫婦を追い出して、

二番目の弟夫婦に跡を継がせたから、

その息子さんが二十歳前に交通事故死をしたのです。

二男夫婦にとって息子長男は兄の魂の分け霊、

息子長男嫁は兄嫁の魂の里帰りだから、

二男夫婦が兄夫婦を無視して親孝行をすれば、

兄夫婦の存在が無いから、

息子の存在が無く、交通事故死したのです

 

 

「その交通事故死も詫びの姿なのですか?」

 

「そうです! 

あなたの母親が親孝行をした偽善の罪が、

交通事故死を引き寄せたのです。

それでも気がつかず、

今度はあなたたちも親に孝行して、

兄嫁を追い出してしまった。

あなたの母親が追い出した弟嫁と、

あなたのお兄さんは〔前世の母と息子〕なのです

 

「私の息子と出て行ってもらった兄嫁と同じ意味で、

 母親が出しゃばって弟嫁を追い出したから、

私の兄が亡くなったのですか?」

 

「そうです。

あなたの母親が取った仕打ちが時を経て、

同じ体験をして気づいてほしいために、

息子の嫁に里帰りしたのですが、

それでもあなたの母親は気がつかず、

またあなたたちも同じことを繰り返してしまったから、

お兄さんが亡くなったのです」

 

「私の主人が亡くなった原因は?」

 

長女婿は母親の魂と同魂だから、

長女が母親を慕えば慕うほど、

親孝行をすればするほど、

御主人が定員オーバーではじき出される原理原則です。

母親が幸せになって欲しいなら、

御主人に感謝し、

跡を継いでいた兄夫婦に感謝すること。

あなたから見て主人と追い出した兄嫁は

〔前世の兄妹〕になり、

それを確認から確心し、

確かな神の確神するために、

魂の入れ替えと組み替えをしたのです」

 

「………………。それでは妹夫婦が離婚寸前の原因は?」

 

№4、誕生の意味。

「誕生とは、大切な人が生まれてくる。

忘れてはいけない人が生まれてくる。

思い出したい人が生まれてくる。

恩を返したい人が生まれてくる。

縁を結びたい人が生まれてくる。

感謝したい人が生まれてくる。

あなたの母親から見て、

娘二女夫婦の魂は誰になるか? 

それは母親が実家から追い出した弟長男夫婦になる。

兄妹の魂は霊糸で結ばれている」

 

「母親が弟長男夫婦を追い出したから、

周り回って妹二女夫婦が、

魂を受け継いだのですか?」

 

「母親が追い出した弟嫁の性格と魂を、

娘二女が受け継いでいる。

母親は長女だから弟長男嫁と同じ魂だが、

性格は真反対になり、

長男嫁の性格を娘二女が現して確認している。

叔母の魂と性格を姪が忘れてはいけないから、

縁を結びたいから誕生した。

兄妹の恩を我が子に返すことを、神と約束して‥」

 

「母親が追い出した弟夫婦の怨念が、

妹を呪っているのですか?」

 

「誰が言ったのか分かりませんが、

祟りや因縁や怨念はなく、

善因善果と悪因悪化ではなく、

偽善因悪化だけで、

親の因果が子に報いとして現しているだけだから、

霊糸の誕生を理解し、

すべてを許し、

すべてを愛し、

すべてに感謝することです」

 

「妹夫婦に子供が出来ないのは?」

 

「その前に母親が追い出した弟嫁である叔母と

誰が前世の母と息子ですか?」

 

叔母と私の兄が前世の母と息子です

 

「母親が弟嫁から

『息子を大切に育てます』

と約束して授かったのだが、

その約束を欺き縁を切り、

霊糸を切ってしまった。

二女は兄が〔前世の父〕であり、

兄嫁が〔前世の母と娘〕を思い出すために誕生し、

息子長男は兄の魂を授かり、

娘長女に兄嫁が誕生する命の絆の法則を欺いたからなのです。

人は前世の恩を返すために、

気づくまで何度も生まれ変わりを繰り返しているのです」

 

「気づくまで何度も‥‥‥。

母親が弟長男夫婦を追い出した偽善の罪が子供から、

孫に負担を背負わせているのですか………」

 

№5、優しさは怨返し。

「あなたの母親は、

あなたたち姉妹を近づけて優しくしているのは、

追い出した弟嫁に罪滅ぼしをしているのです。

魂を入れ替えと組み替えて、

前世では娘であったが現世で嫁として魂の里帰りをさせ、

前世で嫁であったが現世で娘として

誕生させたことを知ることを欺いた母親は、

罪滅ぼしで前世の娘を守る恩返し、

現世の娘に怨返しをする方法を選んだのです」

 

「それが母親にとって、

私たちが追い出した兄嫁と前世の娘に当たるのですか?」

 

「そうです! 

優しさは復讐です。

娘が入れば嫁は入ることが出来ず、

嫁が入れば娘は入ることは出来ない。

「娘は先祖の里へ里帰りで、お帰り下さい!」

「嫁は先祖の魂の里帰りで、お帰りなさい!」

なのだが、

親孝行者と親不孝者や気に入ると気に入らないで、

区別ではなく差別で判断したから、

優しさは怨返しと復讐になったのです」

 

№6、理解できても実行まで‥

  数年が経ち、

母は命の絆の法則が脳裏から離れなれず、

何度も何度も資料を読み返していた。

 

意味は分かるけど理解できない、

理解できるが納得できない、

納得できるが実行できない、

というパターンがあるように、

なかなか実行することが出来なかった。

 

母はハッとした。

 

いままで母親の老後や離婚寸前の妹二女のことに囚われ過ぎていて、

高校を卒業してから、

一度も顔を見せにこない娘長女のことを急に心配になってきた。

 

どこに住んでいるのか‥‥。

幸せに暮らしているのならいいけど‥‥。

 

娘は妹と同じ魂だから、

母親が追い出した弟長男嫁である叔母の魂を授かっている。

娘婿も弟長男である叔父の魂の里帰りになる意味も分かった。

 

実際には娘を追い出した訳でもないが、

縁が切れているのは、

追い出したと同じことだと気づいた。

 

今さら、兄嫁に詫びても何も解決しないのではとつぶやいた。

 

だが息子が起こした事件で目が覚めた母は、

「たぶん亡くなった主人と兄が、

私に訴えかけたのでしょう。

『まだ詫びないのか!』

と……………」

 

 恐喝で警察にお世話になって、

ようやく決心がつき、

追い出した兄嫁と恐喝した息子は

〔前世の母と息子〕

だと確神できたので、

兄嫁の居場所を探し求めてようやく分かり、

何度も詫びに行ったが会ってはくれなかった。

 

何度も何度も会いに行きましたが、門前払いだった。

 

何度も行くうちに心を開いてくれるようになり、

やっと姉妹の契りを結ぶことが出来ました。

 

それから間もなく、息子の態度が変わり、

いまは昔のように明るい子に戻ったばかりか、

家を出たまま一向に沙汰のない娘は

結婚して孫息子を授かっていたことが分かり、

その孫息子は主人の魂の里帰りだから、

もうこれ以上命の絆の法則を欺かないことを心の中で誓った‥‥。