地獄の黙示録 天国から地獄編②
前回の天国から打って変わって
いきなり戦場です
PM2:00
釣り場を後にした私は真っ直ぐ家路に着きました
明日は待ちにまった会社の健康診断(お楽しみバリウムデー)の日
なので今日はもう何処にも行かずおとなしく家でゆっくりくつろぐ事にしました
ええ、実は意外に好きなんですバリウム
全く抵抗無くゴクゴク飲めるんですバリウム
イチゴ味かバナナ味かバニラ味か聞かれたら迷わずプレーン味選びますバリウム
男は黙ってプレーン味
それぐらい好きなんですバリウム
なんならもう一杯おかわりしていいとさえ思ってます
紙コップでチビチビなどとセコいこと言わず
ジョッキでなみなみ持って来てくれバリウム!
そんな事どうでもいいんですが
ちょうど夕方ぐらいだったでしょうか
なんだか少し胃がムカムカして来て昼に食ったキツネうどん(600円)をリバースしてしまいました
釣り場で腹冷えて少し胃の調子でも崩したのか?
明日は大切な健康診断の日だし今日はもうビール飲むの辞めて早めに寝て体休める事にしよう
その時はその程度の軽い考えでした
しかし今思えばそこからが地獄の黙示録の始まりだったんです
夜11:00
突然の腹の痛さに目が覚めました
まるで腹の中にナパーム弾でもぶち込まれたかの様な痛み
容赦無く腹の中に打ち込まれるナパーム弾の雨あられ
突如として鳴り響くワーグナーのワルキューレの騎行
キルゴア中佐キタコレーー!
腹の中をエイリアンがうごめき回る激痛とはまさにこの事だろうか
そこからはもう激痛→嘔吐→腹痛→嘔吐→腹痛→嘔吐の負のスパイラル地獄
寝ても地獄、起きても地獄、吐いても地獄、のた打ち回っても地獄
それでもけして手を緩める事の無いキルゴア中佐の容赦なき徹底攻撃
もうまさにノンストップワルキューレ
腹揉んで見たり、足ツボ押して見たり、よくわからんヨガのポーズで丸まって見たり
この痛さと三時間ぐらい闘っていただろうか
マシになる処か事態はますます悪化
遂にうずくまって自分で動くのすら困難な状況に陥りました
こりゃアカン
こりゃもうどうにもならん
もう無理
キルゴア中佐
参った
ギブ
1.1.9
生まれて初めて救急車に乗りました
診断は急性胃腸炎でした
CT撮って点滴打ってもらい1万円の保釈金を払って朝には病気から釈放されました
しかし医学ってすごいな
たかが点滴一本でさっきまでのあのワルキューレが嘘の様に止まってしまった
恐るべし点滴パワー
(ちゅうか私の体が単純過ぎるのか?)
先生いわくとりあえず今日一日仕事は無理だが歩けるのなら別に会社の健康診断は受けてもらっても構わないとの事で一旦家に帰って健康診断だけでも受ける事にしました
しかし救急車で運ばれた数時間後に健康診断って..
健康診断じゃなくてただの不健康診断じゃないかこりゃ?
とりあえず受け付けでさっきまで救急車で病院に放り込まれてた経緯を話し健康診断を受ける事にしました
会社の年に一度の大切なノルマです
これしきの事で健康診断休んでては孫の代まで笑われます
死んでも健康診断だけは受けるつもりです
身長、体重、視力、聴力測定、採血、心電図を済ませ最後はいよいよ待ちに待ったバリウム(胃のX線検査)
そこで私は耳を疑うレッドカードを叩きつけられました
「tokudaさんそこまでして健康診断に来て頂いた努力はわかるんですが流石にこちらとしても数時間前に救急車で運ばれてた人にバリウム飲ませて何かあったら責任取れませんので今回のX線検査だけは辞退して下さい」
が~ん..
あ、あんたら知らんだろ
私が今までどんだけバリウム飲む為に修行積んで来たか..
(なんの修行やねん?)
私がどんだけこの年に一回のバリウムを楽しみにして来たのか..
こうして私のまさに波乱に満ちた怒涛の48時間は幕を閉じました
今回もう何がイチバン屈辱だったかって言うと
生まれて初めて救急車に乗せられた敗北感
ノロウイルスの検査だと言って看護婦さんに肛門にめん棒突っ込まれた屈辱感
大事を取って最低一週間は医者にビール止められた挫折感
そんな事よりも何よりも
健康診断の日にバリウム飲めなかったこの悔しさがわかるかあんたらに?
いや、別にわかってもらおうとも思わんが。