シュテファン王 Op.117【全曲リストとさらに詳しく解説】② | Beethoven's works collectorのブログです

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könig Stephan Op.117(King Stephan Op.117) 
『シュテファン王 Op.117』

正式なタイトルは

『コツェブーの祝典劇「シュテファン王、またはハンガリーの最初の善政者」のための音楽 (序曲と9曲)Op.117』

の曲目について、さらに詳しく記載いたします。


【曲目リスト】[Germany (English) 『日本語』]

1. Overture (Overture) 『序曲』
2. Chorus: Ruhend von seinen Taten (Resting from his exploits )『王侯は我らの行いを静かに語り』
3. Monologue: Seid mir gegrüsst an dieses Thrones Stufen (welcome to the steps to this Throne)『玉座へ』
4. Chorus: Auf dunkelm Irrweg in finstern Hainen (On a false and Sombre path)『暗い迷路をさ迷い』
5. Dialogue: Fürst! Mich sandten die Edlen im Heere (Prince, the noblemen in the army)『王子と貴族』
6. Victory March : Feurig und stolz (Fiery and proud)『凱旋行進曲』
7. Dialogue: Ihr tapfern kriger, Ungarns Stolz und Zierde (Bold warriors, Hungary's pride and glory)
8. Chorus: Wo die Unschuld Blumen streute (Where innocence has strewn flowers)『無垢の花が撒かれるところ』
9. Melodrama: Du hast Dein Vaterland (You have left your native land)『あなたには祖国がある』
10. chorus: Eine neue strahlende Sonne (A new resplendent sun)『新しく輝く太陽が』
11. Melodrama: Ihr edlen Ungarn! (Noble Hungarians)『君たち高貴なハンガリー人』
12. Monologue: Werft einen Blick in die Vergangenheit (Take a look at the past)『過去を顧み』
13. Andante con moto『アンダンテ・コン・モート』
14. Monologue: Empfanget sie aus Eures Fürsten Händen (Receive them from your Prince's hands )
15. Maestoso con moto『マエストーソ・コン・モート』
16. Religious March : Moderato『宗教的な行進曲』
17. Monologue: In der shönsten Deiner Lebensstunden (In this, the finest hour of your life)『万歳、我らの国王』
18. Chorus: Heil unserm Könige (God save our king)-Melodrama: Ich schmücke ehrfurchtsvoll mein Haupt mit dieser Krone (I respectfully adorn my head with this crown)『畏敬に満ちて飾る』
19. Chorus: Heil unserm Könige (God save our King)『我らの国王』
20. Melodrama: Sie bleibe ewig unverletzlich (May it always remain inviolable)『不可侵であり続けること』
21. Melodrama: Da steigen sie herauf die edlen Fürsten (There they arise, the noble princes)『高貴な王子様』
22. Melodrama: Umsonst will Zwietracht ihren Bogen Spannen (In vain will Discord  bend her bow)『ディスクオードが彼女の弓を曲げる』
23. Chorus: Heil unsen Enkeln! (Hail to our descendants!)『万歳!我らの子孫』

翻訳は完璧ではありません(ご了承ください)


【作曲】1811年
【初演】1812年2月9日
【出版】1826年ウィーンのアルター・シュタイナー社(序曲のみ)

ここから『シュテファン王』について更に詳しく解説します。

【登場人物】
語り:シュテファン王、戦士、使者、老人、ギュラ、ギゼラ。

【解説】
全曲の総譜が1864年に、ブライトコップ・ウント・ヘルテルより出版された。出版の際には「シュテファン王の大序曲」と書かれていた。「シュテファン王」op.117は、姉妹作「アテネの廃墟」op.113のように芝居じみた所がなく、単純な筋でシュテファン王(セント・イシュトワン 1001〜1038)を讃える作品。

作曲の動機は、1812年にハンガリーの主都ブタペストのドイツ劇場が新築されるにあたって、オーストリアの皇帝、フランツ一世がベートーヴェンに、コツェブーの祝典劇「シュテファン王」と「アテネの廃墟」の作曲依頼をした。
開演は、フランツ皇帝の誕生日1811年10月4日にされる予定だった。結局、初演は予定より延期され、1812年2月9日にハンガリーのドイツ劇場のこけら落としに際して、戯曲「シュテファン王」と「アテネの廃墟」の2曲が同時に上演された。

前半に「シュテファン王」が上演され、後半に「アテネの廃墟」が上演された。

「シュテファン王」Op.117のあらすじ(資料より)

霧深い曠野、11世紀のハンガリーを背景に、矇眛なハンガリー民族が、シュテファン王の君臨によって次第に文化に赴き、霧晴れて光明に導かれるという筋のあらましで、舞台面がハンガリーに終始しているだけにベートーヴェンは旋律や楽器の使い方を意識して、ハンガリー的なものにしたと注目される。ベートーヴェンはこの作品にシュテファン王に対して忠誠の意を表明した。

そして、ここにはベートーヴェンから

「ペストの新劇場開きには何かをするように、私が心から良く思っている髭面共を助けてやるために」

と書かれていた。


ちなみに、「コツェブー」とは、(アテネの廃墟)の作詞者でロシア皇帝の特派文学者だった。彼が暗殺された機会をとらえて反動首相メッテルニヒは、出版と言論と思想の自由を全て粉砕しようとした。
新聞やパンフレットには厳重な検閲を施し危険な精神を息詰まるような監視のもとにおくため、大学の中に特殊な管理機関をおき、革命の陰謀を審理するための委員会をもうけた。

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