こんにちは。
とくちゃんです。
前回の記事はこちら。
本当に外せない用事がない限り、基本的に日曜日は兄のところに、面会に行きます。
面会している時間は短くて1時間30分。平均3時間くらいです。
1週間のうち、たった3時間しか会うことができない。
そのために、往復6時間近くかけて面会に行っている。
そんな状況です。
学校で何気なくこの話をしたら、
『はぁ?ありえないね。その時間って、無駄だよね。』
こんなことを言われました。
大切な家族に会っているのに、無駄な時間ってなんだよ。
元気な時じゃないと会えないから、会いたいから会いに行っているんだし。
無駄な時間と言われたことに、ものすごく腹が立ちました。
それでも、同じ状況になったことがないからわからないよな。
自動的に頭が切り替えられて、まぁいっか、と考えるようになりました。
できるだけ、兄との時間を長く取りたいと思っていたので、母と私の2人での面会の時は、サバイバルをしていました。
病院でのご飯ではなく、車でご飯を食べるのです。
当然、食べられるものは限られますが。
母は、おにぎり・サンドイッチ・のりまきなどです。
助手席の私は、パスタ・のりまき・丼ものでした。
病院に着くと、あっという間に時間が過ぎます。
1週間の自宅での出来事、病院での兄の出来事を共有しては、笑い話に花を咲かせたり、理不尽なことには一緒に怒ってみたり。
状態が落ち着いて、個室から4人部屋に移ってからは、特に同じ病室の患者さんのことで話をしたりしていました。
「病院の人間関係も大変だね」
しみじみと話をしたら、
『それは、小5の口から出る言葉じゃないっしょ』
と大笑いされました。
そんな楽しい時間を過ごして、帰る時間。
初めはあまり気になっていなかったけれど、帰る時間になると、兄からの注文が増えてくることに気がつきました。
『さっきのDVDこっちに出してちょうだい』
『このゲームの攻略本読みたいから、ページ開いて欲しい』
『あ、今度来るときに買ってきて欲しいのあるんだ』
帰る時間って、わかっているはずなのに、その時間を過ぎても、ずっと話しかけてきます。
「わかった。来週来た時にすぐに準備するね。」
『来週じゃなくて、今やって。』
すぐにできることは、やっていきましたが、あまりにも時間がかかる時には、強制終了しました。
帰る時には、病院の入り口まで兄が見送りに来てくれます。
でも、どことなく寂しそうでした。
「また来週来るからね。」
『うん。待ってる。』
いつもの会話でしたが、兄にとっては、家族と一緒に過ごせる唯一の時間が日曜日。
好き放題、わがままを言える時間。
兄の口からは、寂しいという言葉を聞いたことがありません。
それでも、話す言葉、雰囲気、帰り際の様子から、寂しい気持ちを隠して過ごしているんだと思うようになりました。
次回、わたしの世界観73〜小学校高学年15 福祉に関する作文を作ることになった〜に続きます。