こんにちは。

 

 

とくちゃんです。

 

 

前回までの記事はこちら。

 

 

奇跡の出会いは、兄が通っている養護学校高等部の先生でした。

 

その先生は、”障がい者だって、できることがたくさんあるんだ。なんでもやらせてみよう!”

と、いつも前向きなことをする先生でした。

 

背が高くて、冗談をたくさんいう面白い先生で、私もすぐに仲良しになりました。

 

その先生が、自宅に書道教室を開くというのです。

教室の生徒は、障がい者本人が中心ですが、その家族も通うことができるというものでした。

 

 

先生は、コームインだったので、月謝はもらえないとのこと。

よくわからなかったけど、習字ができて、兄と一緒にいることができるなら!と

私も母も一緒に通ってみることにしました。

 

 

隔週の土曜日、先生の自宅に集合。時間は10時から16時ころまで。

いつ来てもいいし、いつ帰っても良い。自由度の高い教室でした。

 

 

私も、小学校の授業で習字を始めていたので、書くことに抵抗はありませんでした。

 

先生がお手本を作ります。それをもとに、書いていきます。

 

 

兄は、体を固定した状態であれば、かろうじて通常の半紙に字がかけるくらいでした。

それでも、一人で書くのには、限界があり、書くときには、先生が後ろに立って、

兄が筆を持ち、その腕を先生が支えて、字を書いていきました。

 

 

その光景は、とっても不思議です。

私は一人で字が書ける。

兄は、支えてもらっているけれど、兄の字として、半紙に書ける。

 

方法は違えど、字を書くということに変わりはありません。

 

生徒のメインは、障がいのある本人なので、家族は見守っていることも多かったです。

そんな中で、それぞれが、自分の思いや感情を言葉で表現してみる作品を作っていくことになりました。

 

 

兄は、施設に入った時の気持ちと今の気持ちを対比させた文章を書いていました。

それを先生が、お手本に作り上げる。

そして、兄が作品として仕上げる。

 

 

私が学校で使っている半紙の何倍もの大きさの紙に書いていきます。

一生懸命、半紙に向かって書いている兄の顔は、真剣そのもので、

とても輝いてみえました。

 

 

次回、わたしの世界観37〜小学校低学年7 兄の超大作が完成した〜に続きます。