あれは、ちょっとした冒険だったのか?その① | 鼻たれ小僧とタイツ足

鼻たれ小僧とタイツ足

懐かしき小学校時代

男の子がタイツを穿いてても当たり前だった

突然‼ あの頃の事を思い出してみたくなった

仕事がちょっと早く終わった先日、釣り(ボウズだった)の帰り、コンビニでM君と出会った。

高校も大学も違い、僕が街に戻って来た時、M君も帰ってきた。

以来ずっと付き合いはあるのだが、就いた業種の違いもあり休みが合わず、そのうちお互い結婚しただなんだとすれ違いばかり。たまに電話しても「また休みが合ったら飲みに行こうぜ」って言ってても、年に1~2回程度になっている。ただ、居場所が分かってるし、声掛けりゃいつでも答えてくれるし、幼馴染みとはいいものである。現在M君は、隣町の母親の実家の跡地に新築して住んでいる。ウチからは距離的に2~3キロしか離れてはいない。

 

働き方改革? この前少し休みが増えた僕が、久しぶりにM君と飲める日があった。

地元駅から乗り換え線に接する街(子供の頃はベッドタウン的だった)の駅前も今ではそれなりの繁華街的になり、気に入った店もでき、二人で出かけた。小4の頃ほとんど同時期にタイツを卒業した我らだったが、若い頃から、その時代に即した会話や、子供の頃の思い出話はしても、タイツに関する話はした覚えはない。

 

お互い酒はそんなに強い方ではない二人だが、大好きなクラフトビールを2杯くらい飲んだところで、僕は思った。どうしても一話にまとめてブログに書くには、あまりにも断片的でとりとめのない出来事があったのだが、確認するのは今しかない。そこで「なあ、小学校の時、何人かでブルースリーの映画観に行かなかったっけ」僕は誘い水をかけた。「あれ小6卒業してからじゃなかったっけ」とM君。それは、小学校の制服着てったら、電車代が小人で行けるからお得という事で、卒業後の春休みに5人で出かけた話だ。

「そんな事より、あれって4年の時だったよな、お前と二人で懐かしいタイツ買ってさ…」と、M君が乗ってきた。

 

嫌がらせを言われて、4月の連休前に僕ら何人かのタイツ仲間はタイツを脱ぎ、それ以降肌寒くなっても、タイツを穿いては登校しなくなってしまった。なんで変な見方するの?そろそろタイツ穿いてるヤツも見なくなったし、男だもんなあ、でもタイツは男女関係ないと思うし。夏休み、プールからの帰り、M君にそんな気持ちを伝えた。季節がらもっともふさわしくない話題だ。それでも汗ダラダラでM君はこう言った。「僕かんがえてんだ、10月くらいになったら動物園にタイツで行ってやろうって」「一人でかい?」「一人じゃマジぃよ、お前と二人で実行しようぜ」そんな無茶な、なんて思う訳なく、なんだかワクワクした。「いいじゃん!その話忘れんなよ」と僕は答えた。

 

9月の終わりだったか、僕ら二人は”そのベットタウン”の駅前にあるとある洋品店に行った。

「僕らが穿くタイツってありますか?」臆する事無くM君が訊いた。

小母さん曰く「何年生かな?まあ、あなたたち付属の生徒さん?それならこんなものね」

まさか、〇街の××小学校とは言えず、ひたすらうなずくしかなかった。

当時¥500払っていくらかお釣りをくれたようなそんな価格だった。

黒のボーイズタイツだった。そそくさと店を出、中身が見えないよう宝物を守るように袋を抱きかかえ、来た下り電車に飛び乗って、二人で帰った。

 

10月、街の鎮守のお祭りが終わった次の日曜に決行と約束し、それぞれ帰宅した。

 

また夜更かしをしてしまった。

つづくです。