角館・盛岡・花巻、ぶらり旅(1)~抱き返り渓谷~ | 凝り性 勝之進のこだわり日記

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★Livin' On A Prayer★Once upon a time Not so long ago・・・ 
 

オリンピックも終わったので、
東北旅行の話を書いて行きます。

8月後半は、たぶん仕事が忙しいので、
早めに書いてしまおうと思っています。

まず最初は、いきなりメインイベントの
秋田・角館「抱き返り渓谷」です。

秋田新幹線に乗ると、東京から
約3時間で角館に着きます。

秋田の人には失礼ながら、角館は、
ものすごく遠くに感じていましたが、
新幹線でいけば、そんなに遠くはない、
というのが実感です。

駅からレンタカーで20分くらい走ると
抱き返り渓谷の入口に到着します。

遊歩道の入口の、すぐ脇に
石碑と抱返神社があります。

★石碑


★抱返神社(1676年再建。無人)

そもそも、「抱き返り渓谷」
(だきかえりけいこく)とは
珍しい命名ですが、由来は
どのようなものなのでしょうか?

一説には、
谷が深く急峻な地形であるため、
歩ける道幅が非常に狭く、
人がすれ違う時に互いに抱き合って
場所を入れ替わらないと進めないから
「抱き返り」と言われるようになった、
という説があるそうです。

でも、いかに狭いとはいえ、
見ず知らず人と、いきなり
抱き合いませんよね。
 
これは怪しい説だと思っていたら、
抱返神社の脇の立札に、
ちゃんと由緒が書いてありました。

曰く、
11世紀後半の前九年の役で
源義家が安倍貞任を攻めた時、義家は、
ここから川の氾濫なく行軍できるよう、
この地で持仏を祀って祈願し、

さらに、その持仏を懐に入れて貞任と戦い、
勝利を収めて、再びここに帰って来た
といいます。

義家は、御加護があったと、
持仏を丁重に祀り、持仏を
「懐に抱きかかえて帰って来た」
ことから「懐き還り神社」と名付け、
それが後世に「抱返神社」となった
とのことです。

こちらが真説のようです。

御朱印は、向かって左にある
小さな小屋に500円で売っています。

渓谷の方に少し進むと、すぐに
長さ80メートルの赤い橋が登場します。
「神の岩橋」といいます。

約100年前の1926年に作られた
非常い古い橋で、なんと、秋田県で
一番古い橋なのだそうです。

橋の上から見える水の色は澄んだ
青緑色で、とても綺麗でした。


ではなぜ、こんなに水が青いのでしょうか?

一説には、「酸性だから」と言われて
いますが、説明になっていません。

青色の謎を解くヒントは、この川の名前が
「玉川」であることと関係があります。

そうです。実は、この川の上流には、
酸性度日本一で有名な玉川温泉があり、
温泉成分であるアルミニウム等の成分が
川に流れ込んでいるのです。

アルミニウムは水に溶けませんので、
水中では微細な粒(コロイドといいます)
となって水に混じります。

その粒子は、青い光を反射して
跳ね返す性質があるので
水が青く見えるというわけです。

水質が酸性かどうかではなく、
アルミニウム成分配合が青色の理由です。

これに加えて、川底の岩石が白いため、
日光が当たると、エメラルドグリーンの
青緑色が奇麗に発色します。
自然が生んだ絶景ですね。

◆そして、さらに狭い遊歩道を進むと、
川に流れど真ん中に、
「茣蓙(ござ)の石」という
巨大な四角い石が現れます。

茣蓙を数枚拡げられるほど
平らで大きい、という意味だそうです。


木が生い茂っていて、よく見えませんが、
確かに非常に大きい石です。

不思議なのは、周囲の石が川の水で
角が削られて丸まっているのに対し、
この石だけが四角いまま残っているため、
奇岩と言われています。

岩石の種類までは判りませんが、
勝之進の見立てでは、
マグマの貫入部分が冷えて残り、
水が周囲を削ったように見えました。

◆さらに進むと、トンネルが現れます。
 
この先にも、もう一つ手掘りの
トンネルがあり、それが少しカーブ
しているため、入った瞬間、
真っ暗で完全に何も見えなくなります。

携帯電話の電気をつけてください
と書いてありましたが、懐中電灯が
あったほうが安全かもしれません。
それほど全く何も見えませんでした。

トンネルの前の小さな橋からは
水面が非常に深い青となって見え、
特筆すべき綺麗さでありました。

四国・仁淀川の安居渓谷にも匹敵する
美しさでした。

◆そして、トンネルを抜けると、
いきなり滝の音がドドドと響いてきます。

右に回り込むと、回顧の滝が現れます。




滝の全景が目に飛び込んでくる瞬間は、
なかなかの感動であり、
「おおおお、すげぇ」と唸ります。

高低差30メートルを垂直に流れ落ちる
滝の迫力は相当なもので、しかも、
かなり近くまで遊歩道が伸びていますので
飛沫シャワーが飛んできて、
暑さを忘れます。

滝の最上部には、水が飛び出すような
部分があり、下部の方は、
滝壺から下に何段もの流れがあり、
実に見ごたえのある滝でありました。

勝之進は、四国高知で見た「飛竜の滝」
のように、遠くから見えてしまわず、
一気に立ち現れる滝が好きなので
とても気に入りました。

勝之進は、自薦の滝10選に
加えることにしました。

しばらく感慨深く滝を見た後、
さて帰るかと思うのですが、
なかなかに立ち去りがたく、
もう一度見返してしまいます。

まさに「回顧(みかえり)の滝」
であります。
名付けた人はセンスありますね。

滝まで、30分かけて行く価値が
あることは勝之進が保証します。

紅葉の季節も良さそうなので、
季節を変えて行ってみたいと
思いました。

以上、抱き返り渓谷でした。
 
(続)
     晴れて良かったぁ。。。勝之進
 
PS、熊除けの鈴またはベルは必須です。