包丁(ほうちょう) | 徳富 均のブログ

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自分が書いた小説(三部作)や様々に感じた事などを書いてゆきたいと思います。

 包丁はどこの家庭にも必ずあるでしょうし、料理を作るとなれば必ず使うでしょう。しかし、本格的に料理をするということがなければ、大体一本か二本の包丁で済ませてしまうのではないでしょうか。料理の種類、素材のさばき方によっては、何種類もの包丁が必要とされます。

 かつて日本には、料理の包丁さばきを披露する芸能的な儀礼があった。平安時代末期の『今昔物語集』には、崇徳(すとく)天皇に鯉(こい)料理を披露した包丁人の名が、また、鎌倉時代末期から南北朝期の『徒然草』には、百日間鯉をさばき続けた名人の名が記されている。「式包丁(しきぼうちょう)」と呼ばれるこの儀礼は、包丁と真魚箸(まなばし)だけで、直接手を触れずに魚鳥を切り、美しく盛り付け、それを愛でるというもので、いわば料理のショーであった。定められた形に忠実に、いかに見事に素材を切るかが包丁人の腕の見せ所だった。

 室町時代には、宮廷専属の流派がいくつも生まれた。その一つが、今も京都の料亭「萬亀楼(まんかめろう)」に伝わる生間流(いかま)があります。

 忙しい毎日に仕事の合間に、息抜きとして料理を作る人がいますが、ストレス発散は何も外出だけに限らないのでいろいろな気分転換があっていいのではないでしょうか。それにしても、日本人は「器用」なので、その器用さをもっと世界に示すといいと思います。