いや、蒸し暑いですね。
肌にまとわりつく湿気が、なんともまた、、、
今週は用事で名古屋に行きましたが、現地の方々口を揃えて
「名古屋、すごい暑いでしょ!」
「今年の名古屋は異常ですよ」
「名古屋は日差しがきついんですよ」
と申されます。
確かに愛知・岐阜の猛暑は関東でも報じられていた気がします。
しかし東京に戻ってきたときの、まとわりつく湿気を伴う暑さ・・・
気温、日差しは名古屋が強いかもしれません。しかし、
「不快指数を伴う暑さ」
は、”東京が圧勝”している気がして、ならないのです。
と、前置きはこの辺りで。。。
昨晩は、支部の地区会議がありました。
今回は地区長が参加者に、ちょっとした宿題を出されました。
「10年後、税理士業界はどうなっているのか?」
うむー、これは責任ある活字にはできないが。
無責任な見解としては、いろいろ言いたいことがあるぞ~
と思い、昨晩はそれを口頭で発表してみました。
以下、それを活字化したものを掲載します。
ご笑覧下さい・・・
~税制の複雑化と簡素化のはざまで~
1 税制の複雑化と成す術のない現状と
税制が複雑化していることに疑いはない。
法条文の量、通知通達、判例のいずれもが年々増加している上、それを受けた技術的表明としての税務申告書と付属書類の複雑化も、進展している。
税制の簡素化とか、分かりやすい税制などスローガンとして言語化している税務官僚と政治家も、嘘を述べるつもりはなかろうが、次の諸事を前に成す術もない現状があろう。
(1) 平成不況以来のデフレ経済の継続とその脱却に向けた、断続的な財政的対応
(2) 国際化、情報化、社会構造の変化などを基礎とした、世の中全般の複雑化と多様化
(3) 絶えざる情報革新による、納税者サイドの情報量増加と民主主義的精神の浸透
(民主主義の進展とか深化など、ではない)
(4) 税制への政治的、企業的、市民的期待、要求への制度的諸対応
(5) (1)~(4)を「課税の公平」を堅持しつつ実施する税制特有の公平性概念
2 税理士の仕事が減るといわれるゆえん
ところで一般論として、IT,AIの進展が税理士の仕事を奪い減らすと言われて久しい。
ここで簡単な問題提起が、一つある。
これだけ情報が行き渡り技術ツールが拡散し、入手しやすい今時代にあって。
税制が毎年、広く市民に分かりやすく簡素化し続け、税理士や経理人の負担を減らすべく簡素化し続けたならば。
税務署はどんどん楽になり、税理士業務や企業経理はどんどん楽になるのは確かである。
そして、さらに企業自身、市民自身による自主的な申告納税が行き渡り、その簡素化と情報化の結果として、いよいよ税理士業務自体の必要性が減少していく可能性がある。
むろん、ラクになればラクをするという人間の本来的な性(さが)の結果、どれだけ簡素化されても何らの変化も生じない可能性も、あるにはあるが。
3 税理士業務が減らない理屈
それであっても、だ。
年々、情報と技術ツールが普及して、申告納税制度がブラッシュアップし続けている感じがあるのに、それに輪をかけて複雑化する税制がある限り、納税正義を実現するための税理士の役割は、簡単に揺らぐものではないと、随所で感じざる得ないものがある。
経理の電子化、AI化、電子申告、電子納税の目覚ましい進展は、そこは税理士本来の主業務を侵食しているというよりは、税理士に技術革新や世代交代(税理士事務所の電子化促進や若返りだけでなく、個人事務所の法人化やチェーン化なども含まれる)を促しているというほうが正しいように思う。
加えていうならば、そうした複雑化する税制と税理士の役割を規定付けるものとして、次の2要素のせめぎ合いがあろう。
(1) 為政者と税務当局の(彼らの正義に基づく)国家安定のための租税徴収への情念
(2) いつの時代にも変わらぬ、納税者たちの納税負担縮減への絶えざる渇望
その本気で取りに行く当局(これから本気度が増すとみる)と、本気で防衛したい納税者の相克が基礎にある限り、税理士制度と現場における税理士の役割は重要性を増し、簡単に揺らぐ場面は想像しがたいところがある。
終わりに
そもそも、戦後民主主義体制下での租税国家としての日本自体の歴史が浅いし、戦時下で(前身の制度が)生まれた税理士制度の歴史も新しい。
その若い歴史と制度が、これから到来する未曽有のインフレ局面に出会ったとき、我が国財政と税理士制度に、どのような化学反応をもたらすことになるのか。
10年後の税理士業務、そして税理士制度は重要性を増すとともに、我々はすでに未知の領域を歩き始めているように思えてならない。
岸野康之