女は、
こんなにも
無力で不自由なものか。
5番目の王妃、
キャサリン・ハワードも処刑された。
狂気の父王。
自らの地位のためだけに暗躍する廷臣。
王と国家に恨みを滾らせて止まない
『異母姉』。
何もわからず幼く、命短い運命の『異母弟』。
まだ7歳のエリザベスが見つめる世界の
何と昏く哀しく、気色の悪いことか。
もう読んでいるだけでシンドイ(>_<)
『政治家』クロムウェルもアッサリ
斬首されちゃったし
あれだけ厚遇されて信頼されて
滅私奉公してたのに(〒﹏〒)。
どうしてこんな状況の中でエリザベスは
『正気』を保てたんだろうか、と思ったら
やっぱりウィリアム・セシルの存在
あればこそなんだなあ、と
静かに納得させられてしまう展開が
今回のハイライトでしょう。
セシルにも野心はある。力が欲しい。
狂気の王ヘンリー8世が
シッチャカメッチャカにしたこの国を、
大樹のように大きく、豊かで活気に満ちた
大国にのし上げる。
エリザベスの母、亡きアン・ブーリンが
夢見た国の姿。
はからずもその道を行こうと奮闘し、
志半ばで命を絶たれた政治家クロムウェル。
今は何の力も無い一介の下級貴族だが、
この夢だけは手放せない。
この狂った世界で生き抜くと決めた理由。
そのために、セシルはエリザベスを
『利用』しようとした。初めは。
だけど、エリザベスの地位と運命を自分に
使わせてくれと懇願しながらも、
セシルは忘れなかった。
処刑前、
政治家クロムウェルがふと零した言葉を。
『ある人』に言われました。
❝ 汝の王を愛せ ❞ と。
それならば
ウィリアム・セシルという政治家には
エリザベス様しかいない。
赤ん坊のときから見てきた少女。
庶子に落とされ不遇な日々を送っても、
その賢さは奪われていない。
この場面のエモーショナルなこと、
最高でしたね
愛の告白よりもずっと重い言葉。
しかし、ここまで言われてもエリザベス、
通常運転です。
私は私のものだ。
誰にも利用されたくない。
それがたとえ、お前であってもだ。
ウィリアム・セシル。
いいねぇ〜安易なナニワブシにならん
この感じ。さすがイングランドだよ。
ナニヲ言ってるんだ(笑)。
あと、この巻ではロバート・ダドリーも
出てきた後の女王の男妾。
馬番の息子だったのね。
エリザベスとは
まだまだ可愛い子ども同士の触れ合いが
描かれますが、先々知ってるとこれも辛い。
次巻は来年2月頃に発刊だそうです。
何処まで描くのかな。
ワクワクしながら待てるマンガがあるのは
幸せですね。
長文失礼致しましたm(_ _)m。
4巻まで。