『2020年 塩野七生と高校生との対話』。
私も、ちょうど高校生のとき
『チェーザレ・ボルジア~あるいは
優雅なる冷酷』を読んで、
塩野先生の著作のファンになりました。
以来、ローマ人の物語や、ルネサンス関連、
コンスタンティノープルの陥落などの
戦記もの、
ギリシア人の物語 etc.
その時々で話題になったものは
読んできたつもりです。
あ、十字軍は読んでない(-_-;)。
だいぶ前に文庫版が出ているので
早く読まねば( ̄ー ̄ゞ-☆
そんな塩野先生が、母校である学習院で
高校生と対話されるということで、
興味深く番組を拝見しました。
塩野先生が若い世代に最も伝えたいのは、
・人生で役に立つ唯一のこと
・『免疫』力をつける
ということでした。
何が人生で役に立つのか、
本来は『経験』から学ぶという話に
なるが、
経験から学ぶには、我々の人生は
あまりにも短い。
そこで重要なのが『教養』というもの。
『知識』ではなく、『教養』。
それは結局、『本を読むこと』でしか
養えないとおっしゃっていました。
そして、あまり考えて動けなくなるよりも、
取り敢えず目の前の『山に登る』こと。
山に登れば、また別の景色が見えてくる。
山に登る過程で自分に降りかかってきた
様々な出来事を対処していくうちに
人生に対する『免疫』力が付いて、
ひとつの生きる力が生まれるのだ、
というように
私は解釈しました。
また、高校生との質疑応答が凄かった。
健全なる懐疑心と、猜疑心は
何が違うのか?
この世の中で本当に『正しい』ということ
は、どういうことなのか?
等々・・・・・・
いきなり『イタリア語で質問しても良い
ですか?』と言って、流暢なイタリア語で
塩野先生と会話する
男子高校生もいた(゜ロ゜)。
間抜けなワタシは、まず質問の内容を
理解するのに時間を要したわ(・・;)。
イマドキの高校生の頭の良さを
目の当たりにしましたね
御歳80歳を越える塩野先生は、
70も年下の高校生相手に
ユーモアを交えながら真摯に接して
くださいます。
『本当に正しいこととは?』について
質問してきた男子高校生には、
そんなことはソクラテスの昔から
みんな考えています。
私も考えました。
しかし、考えても考えても出口が無い。
答えは出ないのです。
そのなかで、私が少しでも正解に近く、
ひとつの『出口』になるのではないかと
思うことは、
『正しいこと』とは結局、
卑怯な真似をしないこと。
・・・ではないかと思うのです。
(※という主旨だと私が理解した範囲での先生の言葉
を書きました。
実際に発せられた一言一句を書いたわけでは
ありません)
これが一番心に残りました。
私も高校生のときに会いたかったな~。
人間をやっている以上、いきる道は
みんな波乱万丈ですよね(´・c_・`)。
何もかも恵まれて順風満帆な人生、
というものはこの世にありません。
時にクサリそうになるその道を救うのは、
私も結局は『本』だと思います。
マンガもね、ハマったドラマもね(笑)。
そこから得たものは誰にも奪えません。
私はもう不惑ですが(惑いっパナシだけどね)、
改めて勉強になりました。
塩野先生ありがとうございます。
今はこちらの『本』で
勉強させていただきます。
また【読了】記事を書きたいと
思いますので、
よろしくお願いいたしますm(_ _)m。