モペッド で 1マイル

モペッド で 1マイル

浮かんでは消える。消えるようで消えない。日々の思いは頭の中で、音楽のように流れていく・・・ような気がします。好きな音楽のことを中心に、そんな思いをちらほらメモ書きしてみようかな・・・てな感じです。

「TONIGHT I'LL BE STAYING HERE WITH YOU」は、

ディランが「きれいな声」で歌おうとしている一曲ですね(笑)。

 

(邦題「今宵はきみと」。)

 

初出がアルバム「ナッシュビル・スカイライン」で、

思いっきりカントリーに傾倒した時期ということみたいですけど、

何もここまで歌い方や声を変える必要があったのかと言いたくなりますなぁ。

もはや、誰が歌っているんだかよく分からないぐらいですから、

それでもいいのかっていうね。

 

ただ、曲自体は、カントリー風味というより,

スワンプ色強めっていうんでしょうか。※

その点、むしろ以後のディランにつながるところがあるような気も・・・。

 

「ローリングサンダーレビュー1975」の一曲目だったりもするぐらいですし。

もちろん、ローリングサンダーレビューですから、ディランの声も含め、

ドカンとぶちかます演奏に変更されてはいるんですけど、

ローリングサンダーレビューにしては、

曲自体は、わりとそのままのほうなんですよね。

 

(本曲も劇的に変わったという人もいるみたいですが。)  

 

そのせいか、そもそもの「きれいな声」の方が、

いっそう奇妙というか、遊んで感じられるというか。

 

(どっちかオリジナルなんだか、分からくなる(う)。)


まあ、そんなこんなも「ディラン」らしいっちゃ、

そうなんですけどね。

何事も、一筋縄ではいかないってことで。

 

 

 

 

 

「TONIGHT I'LL BE STAYING HERE WITH YOU」(1969)

 

 

 

 

ジェフ・ベック・グループがオレンジ・アルバムでカバーしていたりも。

 

 

 

 

 

先日、元ちとせのビルボードライブに行った折、

何かお土産をと思ったところ、

会場ではグッズとかの販売はなく、CDだけ売っておりました。

 

ならばと一枚買ったのが「虹の麓」というアルバム。

目下のオリジナル最新作なのかな。

まあ、買うにしても他所で買う方が値引きがあったりするんでしょうけど、

ライブを見に来た記念が欲しかったりもしたもんで。

(以前も同じようなことをブログに書いてる。私によくあるパターン。)

 

その日のライブで、ホロっと来た「感謝」という曲が、

そのアルバムに入っていたりもしたし。※1

 

・・・で、こちら、そもそも20周年記念盤なんだとか。

その点、ラストに奄美島唄が収録されていたり、

作家陣も、オーガスタ勢のみならず、(元ちとせもオーガスタ。)

ゆらゆら帝国の坂本慎太郎が提供なんて曲も。

 

もっとも、トータルでいうと、私の場合、

ひところの吉田拓郎のアルバムが頭に浮かぶ作品だったりしました。

フォーキーでニューミュージック的というか。

 

(少し世代をさかのぼった感がある。)

 

それは一方で、ディランが頭に浮かぶってことでもあったり。

タイトル曲とか、レゲエがベースの曲ながら、曲の展開が、

ちょっとローリング・サンダー・レビューっぽく感じられたりしてね。

 

なので、これまた、そもそも私の頭にあった元ちとせのイメージとは、

ちょっと違う作品だったかもしれません。

ただ、お目当ての「感謝」に感じたおおらかさみたいなところは、

アルバムを通して聞いて取れる一枚なんじゃないかなと。

 

(なんだかんだ、いい「お土産」になったと思っています。よかよか。)


 

 

 

 

 

 

 

「虹の麓」(2022)

 

 

 

 

 

歩いているうちに

道がレンガ敷きになり

 

この道で間違いないと前に進み

たどり着いた階段を登れば

広がるレンガ造りの野外音楽堂

薄いジーンズみたいな色の空

 

誰もいない会場は

それでいて寂しくもなく

どこか懐かしく

そして美しく

 

どれも私が体験したことではない

夢の中で何度か見た景色

いつも同じ場所

同じ気持ちになる夢

 

前世が関っているのかもなんて

その度に想像を膨らませてはまた忘れ

忘れた頃にまた同じ夢を見ては

また同じ気分になり

 

本気で調べたらどこかにそんな場所があるのかな

そこに行けば何か分かることがあるのかも

 

 

 

 

 

 

 

 

「NOTHING IN TOW」は、

アルバム「音楽はおくりもの」(2021)のラストに収録された、

矢野顕子の一曲です。

タイトルは「何も引き連れていかない」という意味になるんだとか。

 

というか、全編英語詞なんですね。この曲。

なので、何を歌っているのか、

ちゃんとは分かっていない私なのですが(う)、

おそらくは、人生を想い、綴られた言葉なんだろうなと。

 

・・・って、だから、ちゃんとは分かっていないですけどね(汗)。

ただ、タイトルに感じる独特のドライさに、

矢野顕子っぽい人生観を感じるというか、

潔さに一抹の寂しさを感じる曲の印象からも、

たぶん、そうなんじゃないかなと推測している次第。

 

一方で、夏の終わりを歌う歌でもあるみたいですしね。

それもいっそう、そんな心象とリンクして感じられるところで。

 

(過ぎゆく季節とともに想い出も流れていく・・・みたいな。

それって季節で言えば夏の終わり特有の情景かと。)

 

 

 

 

 

 

 

「NOTHING IN TOW」(2021)

 

 

 

 

 

先日の安藤裕子のビルボードライブでは、近い日程で観たせいか、

元ちとせがしばしば頭に浮かんだと書きましたが、

その場では思い浮かばなかったものの、後になって、

そのライブで選曲されていた「Hilly Hilly Hilly.」という曲に、

ちょっと矢野顕子みある気がし始めたりしております。

 

歌や歌メロはそういうわけでもないんですけど、

イントロなりのシンセの感じとか。

(「行け 柳田」風?)

 

その点、当初の録音時、安藤裕子をサポートする顔ぶれに、

YMO関連好きの人がいたってことでしょうか。

「君に胸キュン」とか「春先小紅」のカバーが、

安藤裕子にはありますし。

 

でも、その場では思い浮かばなかったんですよね。

そんなシンセのパートをあまり感じなかったのかな。

記憶曖昧ということは、

つまりそうだったのかなと思うんですけど。

 

ただ、逆にそのライブ前にも、何も感じていなかったっけ。

そう考えると、やっぱり、

ビルボードで近い時期にそれぞれのライブを観たので、

頭の中でつながりやすくなったってこと?

 

・・・と、個人的には、面白く感じられたところなんですけど、

人様にとっては、かなりどっちでもいい話を書いておりますな(う)。

 

(でも、個人的にはこういうのも面白いんです。

そういうのもまた、物理的にはつかめない音楽の、

「つかみどころ」になったりもするんで。)

 

 

 

 

 

 

 

「Hilly Hilly Hilly.」(2008)

 

 

 

 

 

 

 

(続き)

 

 

ところで今回、割と近い時期に、

同じ場所で違う人のライブを3つ観たということで、

(席も同じような場所。)

それぞれのライブを比較するなんて感覚が湧くことも、

ないわけではありませんでした。

(女性ミュージシャンばかりでもありましたし。)

 

私の定番になっているというだけあって、

安藤裕子のステージは基本、知っている曲で、

他に観たライブとの違いとして如実だったりしましたし。

 

(知らない曲は、新曲だと分かるって話。

前回、セットリストを書いていてもちょっと思ったところ。)

 

トータルのバンドのグルーヴで言えば、

そりゃ矢野顕子NYトリオが素晴らしいとかね。

もちろん、ライブの評価がそれらに尽きるというわけではないんですけど。

 

(それもまた、音楽の面白いところ。それぞれなりの良さがあるもんで。)

 

その他、個別のところで言うと、

日程も近かった分、安藤裕子のステージの際に、

元ちとせのステージを思い出すことは多かったかもしれません。

「GUARDIAN OF PARADAISE」なんて、

沖縄風の節回しの曲も選曲されていましたし。

(元ちとせは奄美なんだけど。)

 

元ちとせのバンドでは、

ドラムじゃなくてパーカッションが入っていたところ、

安藤裕子でそのパターンだと、どうなるんだろうと、

想像したりとかね。※1

 

(ドラムの代わりにパーカッションっていう編成は覚えがないんですけど、

あったっけ?)


 

 

・・・と、最後に「比較」なんていう、

あれこれ思うところあったとはいえ、

書くに難しいところのある話になってしまいましたが、※2

ひとまず、以上でこたびのビルボードライブ・フェス(?)、

終了でございます。

 

まあ、単にイレギュラーなことをやってみたという話ですね。

でも、本当のフェスと違って、間が数日空くっていうのは、

それぞれのステージをかみしめる時間が持てるってことでもあるわけで、

その点は良かったところに思っています。

結果、トータルの満足度も高まるような気がしたし。

 

次のために急いで飲み込むことなく、

よく嚙んで、ゆっくり味わい、消化もよし。

それこそ、ごちそうさまでしたって気分にもなろうってもんでね(笑)。

 

 

 

 

 

 

※1

 

あまり考えたことのなかった「安藤裕子のリズム」っていうのを、

今回、ちょっと意識して聴いたりも。

 

ステージでは上半身を大きく動かすことの多い安藤裕子なので、

そっちに目が行くところ、

その日は足の動きが気になったりとかね。

 

(座って歌う時は、足で四つ打ちしてるんだなとか。)

 

 

 

 

※2

 

比較することでどっちかを腐したいとか思っているわけではないんですよ。

(でも、比較ってそういう面もあるものでしょ。)

 

だったら、書かなきゃいいといえばそうなんだけど、

ただ、あまりない機会に、思うところもそれなりにあったもんで(う)。

 

 

 

 

 

 


 

(続き)

 

 

・・・で、同じく9月の中旬にビルボードでライブがあったのが、

安藤裕子。

こちらは、私には定番になっているライブですね。

そして、今回の一連のビルボードでのライブ鑑賞のラストでもありました。

 

メンバーは昨年末の大阪公演の、山本隆二、Shigekuniとのトリオに、

ドラム伊藤大地、チェロ林田順平が参加。

結構、バンドした編成で、

選曲も、従前の曲から最近の曲、新曲にカバーと、※

ちょっと、〇〇周年記念かのようなステージだったような気が。

 

そこにきて、肝心の安藤裕子の歌も、

自前のマイクを持ってくるのを忘れたなんてMCで言っておりましたが、

まるで問題なし。

紙に落ちた水滴が広がっていくかのように、

充実の歌が会場を浸しておりました。

 

う~ん、さすが大トリ。

(いや、それは私のライブ鑑賞スケジュール上、

勝手にそう思っていたってだけなんですけど(う)。)

 

それにしても、私が安藤裕子のライブに行くようになって、

もう10年経つんですね。

(最初が2014年5月のサンケイホールブリーゼ。

これまた西梅田で、ビルボード大阪からも近いところ。)

その間、安藤裕子も変化を含めいろいろあったように思いますが、

私もいろいろあったよなぁ

 

・・・なんて話は、安藤裕子の20周年記念ライブの時にも書いたっけ(汗)。

まあ、先述のように、どこか記念ライブのように感じたってことで、

同じような感覚に見舞われたのかな。

 

というか、さすがに10年通っていると、その歌声を聴くに、

しみじみと物を思うことが増えてきたような気も。

その間、安藤裕子の歌も、

私の傍らで鳴り続けていた音だったわけで。

 

(いや、でも、10年通い続けるに値する歌だとは、

今回のライブでも、つくづく思いましたよ。)

 

 

 

 

 

 

(続く)

 

 

 

 

ちなみに、セットリストはこちら。

 

わすれものの森

ドラマチックレコード

HILLY HILLY HILLY.

金魚鉢

エイリアンズ

スカートの糸

再生

夜の怪物(新曲)

GUARDIAN OF PARADISE

海原の月

STEP OUT(新曲)
 

 

 

 

眼鏡をかけて

真っ黒な文字を読む

 

黒は黒

けれど少し変わる


はみ出した滲みが違う

立ち上がる匂いが違う

文字先の光が違う

 

眼鏡をかけて

夜空の月を見る

 

久しぶりに拝むきれいな姿

 

二重にぶれたりしない

霞みも歪みもない

 

見えなかったのか見なかったのか

見れなかったのか見たかったのか

 

 

 

 

 

 

「平和元年」は2015年発売の、元ちとせのカバーアルバムです。

前回書いた「腰まで泥まみれ」も本作収録。

 

これ以前にも、元ちとせはカバーアルバムをあれこれ発売していたみたいですね。

洋楽カバーと邦楽カバーを分けたものとか。

 

で、本作はそのタイトルからも想像するかと思いますが、

メッセージ性の強い曲というのがひとつ、

テーマになったカバー集ということでいいのかな。

 

戦前戦後の歌謡曲も選曲されているところ、

直接的ではないけれど、それも、

時代の空気や反戦の意志を強めて感じられるところだったりしますし。

 

でも、本作のいいところは、そんなメッセージ云々もさることながら、

音楽的な充実感に私は思っています。

アルバムのトータル感は、やっぱりそんなテーマが大きいのかもしれませんが、

それぞれのメッセージはわりとスルッと流れていく印象だったりするんですよね。

一方、随所随所、ボーカルを含め、個別の楽曲のアレンジなり音色なりが、

耳に残り、胸に響くというか。

 

「腰まで泥まみれ」にしても、アレンジの妙ゆえ、

これだけインパクトのある録音になっているんだと思いますし、

ユーミンの「スラバヤ通りの妹へ」なんて選曲もあるところ、※

ここでのコーラスとのバランスが実に魅力的だったりするし。

 

(「永遠の調べ」は「アニー・ローリー」か。)

 

そんなこんなで、ずいぶん遅れて本作を聴いた私でしたが、

これまた、いい作品に巡り合えたという気分なれた一枚だったわけです。

 

(そして、我ながら、もうちょっと早く本作を聴く機会ってのは、

なかったもんだったのかとも、重ね重ね思うと(む)。)

 

 

 

 

 

 

 

 

「平和元年」(2015)

 

 

 

 

個人的には、憂歌団の木村も歌っていた、

「ケ・サラ」(オリジナルは1971?)が選曲されていたのが、

ちょっと、懐かしく感じたり。

 

(あれ、聴いたことある・・・あ!木村が歌ってたっけ、みたいな。)

 

 

 

 

 

 

先日書いた元ちとせのライブに行くに、

「お目当て」に思っていた曲の一つというのが、

「腰まで泥まみれ」という曲でした。

 

(結局、その日は選曲されていなかったっていうね(う)。)

 

そもそもピート・シーガー作の反戦歌。

邦題が付いているのは、中川五郎というフォークシンガーが、

和訳して歌っていたから

 

・・・なんて話を、私もまるで知らず、

この曲を元ちとせがカバーしているのを知ったのも、

つい最近で・・・(う)。

 

2015年に発売されたアルバムに収録されていて、

発売時、話題にもなっていたのかな。

調べると、そのアルバムは、

レコード大賞企画賞とかもらってるんだそうですし。


そのくせ、まるで知らなかったていうね。

いつもながら、情報に疎くて恐縮なところ、

それにしても、なぜ耳に入らなかったのかが、

ちょっと不思議に思えたぐらい、強烈なカバーなんですよね。※1


う~ん、みなさん、聴いたことあります?

もしまだなら、ぜひ一度、お試しを。

好きか嫌いかはその人次第かもしれませんが、※2

「強烈」っていうのは、分かっていただけるんじゃないかなと。

 

 

 

 

 

 

 

「腰まで泥まみれ」

 

オリジナルは1967。

元ちとせの和訳カバーは2015。

 

 

 

 

※1

 

ホーンが入っているのが、効果的に思っています。

ドーンとくる感じが、ここで歌われていることをいっそう、

皮肉めいて感じさせるというか。

 

 

※2

 

でも、「嫌い」って人は、

そもそも曲に政治性があることを嫌う人か、

ここで歌われている「馬鹿」タイプの人か、

どっちかのような気が・・・。

 

(決めつけ過ぎ?)