「TONIGHT I'LL BE STAYING HERE WITH YOU」は、
ディランが「きれいな声」で歌おうとしている一曲ですね(笑)。
(邦題「今宵はきみと」。)
初出がアルバム「ナッシュビル・スカイライン」で、
思いっきりカントリーに傾倒した時期ということみたいですけど、
何もここまで歌い方や声を変える必要があったのかと言いたくなりますなぁ。
もはや、誰が歌っているんだかよく分からないぐらいですから、
それでもいいのかっていうね。
ただ、曲自体は、カントリー風味というより,
スワンプ色強めっていうんでしょうか。※
その点、むしろ以後のディランにつながるところがあるような気も・・・。
「ローリングサンダーレビュー1975」の一曲目だったりもするぐらいですし。
もちろん、ローリングサンダーレビューですから、ディランの声も含め、
ドカンとぶちかます演奏に変更されてはいるんですけど、
ローリングサンダーレビューにしては、
曲自体は、わりとそのままのほうなんですよね。
(本曲も劇的に変わったという人もいるみたいですが。)
そのせいか、そもそもの「きれいな声」の方が、
いっそう奇妙というか、遊んで感じられるというか。
(どっちかオリジナルなんだか、分からくなる(う)。)
まあ、そんなこんなも「ディラン」らしいっちゃ、
そうなんですけどね。
何事も、一筋縄ではいかないってことで。
「TONIGHT I'LL BE STAYING HERE WITH YOU」(1969)
※
ジェフ・ベック・グループがオレンジ・アルバムでカバーしていたりも。