「WILD IS THE WIND」は、
ニーナ・シモンのフィリップス・レコード時代のアルバムですが、
こちらもしばしば一目置かれている印象の一枚だったりします。
その点、ニーナがライブでは披露していたタイトル曲や、
「BALCK IS THE COLOR OF MY TRUE LOVE HAIR」といった曲が、
改めて録音されているからというのもあるのかな。
(ライブバージョンは、「AT TOWNHALL」(1959)で公表済。)
一方、4人のアフリカ系アメリカ人女性の生活の苦難を描く、
「FOUR WOMEN」という曲は、
ラジオで放送禁止になったなんてエピソードがあったり、
タイトル曲はデヴィッド・ボウイが、
「LILAC WINE」という曲はジェフ・バックリーがと、
その後カバーされる曲が収録されていたりも。
(どちらもニーナがオリジナルというわけではないんですけど、
それぞれがカバーしたのはニーナの録音からだったってことのようです。)
・・・と、そんなあれこれのトピックに加え、
個人的には、3曲目の「WHAT MORE CAN I SAY」という曲が、
印象の残る一枚だったりしています。
スキャットっぽく音階を駆け上がるメロディがあって、
そのパートを歌うニーナの声が、
実にニーナ・シモンを聴いた気分になれるというか。
う~ん、ちょっと、クラシックぽかったりもするのかな。
ピアノにしろ、そういうプレイを織り交ぜてきて、耳を惹き、忘れられない。
なんだかニーナっぽいんですよね。その感覚。
私が最初に、ニーナの作品あれこれを聴いてみようと思ったのも、
そのあたりだったように思いますし。
「WILD IS THE WIND」(1966)