イギリスの小麦粉と日本の小麦粉のちがい
イギリスと日本では、お菓子を作るときに主につかう小麦粉がちがってきます。
イギリスのお菓子のレシピを見ていると、材料のところによく「plain flour」と書かれています。ブリティッシュベイクオフをみていても、特にマスタークラスで、「plain flour」の単語はよく登場します。「flour」でわかるように、小麦粉のことなのですが、この小麦粉っていったい何を意味しているの???というわけで、
イギリスのお菓子作りにおける、小麦粉事情を、きちんとおさえておきましょう。
イギリスの「plain flour」とは
はじめてイギリスのお菓子レシピで「plain flour」を見聞きしたときは、てっきり「薄力粉」のことだと思いました。ところがです。
イギリスの「plain flour」は、日本でいうところの「中力粉」のことなのです。中力粉は、うどん粉としてよく使われている粉だといえば、イメージしやすいですね。
日本の小麦粉の分類
日本の小麦粉はタンパク質が含まれている量によって、「薄力粉」 「中力粉」「準強力粉」「強力粉」と分類されています。
「薄力粉」はタンパク質の含有量が6.5~9%といちばん少なく、スポンジケーキなどによく使われます。しっとりとした焼き上がりでくちどけもいい生地になります。
「中力粉」はタンパク質が7.5~10.5%、「準強力粉」は10.5~11.5%。中力粉はうどん粉として知られていますが、準強力粉とともにフランスパンやパイやピザなどにも使われています。そしてイギリスのお菓子を作るときは、中力粉が欠かせません。
「強力粉」になるとタンパク質が含まれている割合は11.5~13.5%です。スポンジ生地のようにふわふわやわらかくはなく、しっかりした生地に焼きあがりますが、風味や香りがしっかり出てきます。おいしそうなパンが目に浮かびますね。
英国菓子を作るときに使う「中力粉」
ここで問題なのは、イギリスのお菓子を作りましょうというとき、どこでも簡単に「中力粉」が手に入るわけではないことです。もちろん製菓材料店などにいくと、いろいろな種類の小麦粉が売られていますが、普段着のお菓子作りは、できればすぐに手に入るもので作りたいですよね。
中力粉が手に入りにくいときは、薄力粉と強力粉を、1対1の割合で混ぜて使うと、イギリスでいうところの「plain flour」に近くなります。
もちろん小麦粉はタンパク質の量だけで決まるわけではないので、中力粉とまったく同じというわけではありませんが、家で作るお菓子は、ある程度の手軽さは大切です。
薄力粉や強力粉であれば、ご近所スーパーで手に入りやすいので、ぜひイギリスのお菓子を作るときは、1対1の配合で、作ってみてください。もちろん「中力粉」が手に入る方は、「中力粉」でぜひ!!
イギリスのお菓子の重厚感の秘密は小麦粉にあった
イギリスのお菓子はどっしりしているイメージがありますが、使っている小麦粉の種類によるところも大きいといえます。
もちろんお菓子の生地の作り方、混ぜ方によるところも、かなり大きいので、中力粉を使えば、イギリスのお菓子の食感になるといいうわけではありません。しかし、薄力粉を使って作る、ふわふわでくちどけのよいスポンジケーキやシフォンケーキが好きな日本人とは、食文化が根本的にちがうのでしょう。
ただ、最近はスコーンをはじめ、イギリスのお菓子がじわじわと人気になってきているところをみると、日本にもふわふわしているだけではない、粉の風味や重厚な食感のおいしさに気がついたスイーツ好きな人たちが、増えてきているのかもしれません。
まとめ
イギリスのお菓子レシピで「plain flour」の単語を見つけたら、「中力粉」だと覚えておきましょう。
イギリスのお菓子作りで使う小麦粉のお話、もうちょっと語りたいのですが、今日はこのへんで。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました