時は来た。
私は、横須賀へ向かった。
数ヶ月ぶりの彼氏の体温を感じる時、とても幸せ。
しかし、クエートからの電話で、私は冷静になってビンソンが性病をもらった事に付いて考えてみた。
いい大人が、それでも信じる?
……信じない。
それでも好きなら、嫌になるまで付き合えばいい。
彼は心当たりある女には、すでに性病について連絡をしてるはずだろう。
自分の中で決着をつけて、前と変わらずビンソンは私の彼氏でいた。
以前と変わったことは、言い争いが起きるようになったこと。
でも喧嘩をしても Sweet なビンソンは
「頭を冷やしてくる。」
と家を出て行って、しばらくすると赤いバラ1輪買って帰ってくる。
そして
「さっきはごめん。」
と。
そんなロマンティックな男性はそうはいない。
ある週末、私たちは横浜のクラブ HEAVEN へ行った。
盛り上がってきた頃、ビンソンがいない。
しばらく待ったが戻ってこない。家の鍵はビンソンが持ってるから彼を探さないと。
私は2階の Bar を見に行った。
ビンソンは女性と二人でカウンターに座り、楽しそうに喋っている。
私は、頭が真っ白になったが、ビンソンへ向かって一直線。
そして、余計なことを言わずに
「家の鍵返して。」
とだけ。
その女性が誰なのか、ただの知り合いなのか、そんなのどうでもいい。
それにその時ビンソンがどう思ったかもどうでもいい。
ビンソンはポケットから鍵を出して、無言で私に渡した。
「 Thank you. Have a good time.」
と笑顔で言って余裕を見せて1階へ降り、他の男を探して踊り狂ってやると思っていた。
苛立ちと怒りと不安で渦巻く私の心。
少しするとビンソンは私のいるところへ戻って来た。
他の男ぉぉぉ~、と思ったがその頃の私はいい子だった。
気分が悪い。今夜は早く帰ろう、と思って外で友達を待っていた。無言で後を付いてくるビンソン。
夜中を過ぎる頃、外は冷え込んできた。
気まずそうに私に付いて来たビンソンも寒さで固まっていた。
彼にコートを着せて、友達が男達との連絡先交換終了まで口を挟まず待っていた。
友達の一通りの儀式が済んで帰路に着く。
歯磨きをして、ビンソンに背を向けてベッドに横になった。
私は彼の顔も見ずに
「おやすみ。」
とだけ言って眠ろうとした時だった。
付き合って初めて、ビンソンに
「 I love you.」
と言われた。
今までに起きた嫌な出来事が吹っ飛んだ。
私は深呼吸をしてその瞬間の幸せを味わった。
寝返りをうって、
「 I love you, too.」
と伝えて、彼のぶっとい腕を強制的に私の体にまとわせてキスをして眠った。
結局彼の性病に関して問い詰めることはしなかった。
< 続く >