太陽の子/灰谷健次郎
- 灰谷 健次郎
- 太陽の子
今日 灰谷健次郎さんが亡くなられました
大好きでした
小学生の頃
「太陽の子」が課題図書になり
扱っている内容が重くてとても読みきれず挫折しました
中学生の頃
「兎の目」を父の通勤本から拝借し
またもや読み切ることなく挫折しました
高校~大学の頃にどっぷりはまり大好きでした
子どもに対する視線が
とてもやわらかくそして時には厳しく
愛に溢れていました
確か 新潮社から出版をしていたのですが
いつだかの少年犯罪者の実名報道で出版社に猛抗議し
氏の出版物をすべて他社に移すことにされたほど
だけどその当時の私は
「加害者少年も保護されるべき存在」
と言った氏の発言を受け入れることが出来ませんでした
それからしばらく
氏の作品を読めなくなっていました
最近では「天の瞳」がドラマ化されたことが有名ですね
もう新しい作品を読めなくなると思うと
とてもかなしく寂しい気持ちでいっぱいです
心よりご冥福をお祈りいたします
雲ひとつない。
41 谷川俊太郎
空の青さをみつめていると
私に帰るところがあるような気がする
だが空を通ってきた明るさは
もはや空へは帰ってゆかない
陽は絶えず豪華に捨てている
夜になっても私達は拾うのに忙しい
人はすべていやしい生れなので
樹のように豊かに休むことがない
窓があふれたものを切りとっている
私は宇宙以外の部屋を欲しない
そのため私は人と不和になる
在ることは空間や時間を傷つけることだ
そして痛みがむしろ私を責める
私が去ると私の健康が戻ってくるだろう
出典「六十二のソネット」谷川俊太郎 講談社
◇◇◇
出逢ったのは学生の頃
最初の4行がとても印象的で
いまでもきれいな青空を見ると思い出す
今日の空はまさにこんな感じ
深呼吸