企業の中の診療所で薬剤師をしていました。

 

お薬を渡す相手は、その企業に勤める20才から65才の仕事が出来るレベルの健康状態の人。

対応の難しい乳児、小児、高齢者にお薬をお渡しする経験が無く、ましてや入院治療の必要な人や救急救命医療に携わることも無い。

 

お薬の説明も、理解力が高く、なおかつ身内意識で聞く耳をもって受入れてくれる患者さんばかり。

 

こんな恵まれた状態では、“薬剤師として世間では通用しない。”と思っていました。

 

もともと病院でバリバリ薬剤師として活躍したい!

なんて思っていたけれど、股関節が固定され、いつも腰が痛い状態では無理と思っていたのでした。

 

 

4年半前、長年の夢の人工股関節置換のオペが出来、予想以上に体調が良くなりました。

そこで世間で通用する薬剤師になるため転職することにしました。

 

今までの経験が役に立つのは調剤薬局かな?

地域で役立つ薬剤師になりたい。

 

調剤薬局に関心があることの一つは、薬の採用。

 

病院や診療所では、採用する薬を自施設で厳選する。

複数規格の製品を置くと間違いのリスクが増え、また、在庫が多くなる。

デッドストックも増えてしまう。

 

しかし調剤薬局では、ランダムに色んな所から処方箋が来る。

 

病院・診療所ではリスクが高まらないように厳選しているのに、調剤薬局では真逆の対応が求められている。

 

いったいどのように対応しているのか?

先発医薬品や後発医薬品の在庫の管理はどうしているのか?

(ちなみに私の勤めていた診療所では、後発医薬品に切り換えるものは全面切り替え。

どちらか片方だけ在庫する。)

 

在庫に対してだけでなく、一番大切な調剤において、頭の切り替えはどうしているのか?

先発品、後発品の読み替え、

合剤は先発でもややこしいのに、後発においては、なおさらややこしい現状。

 

薬は絶対間違えてはいけない。

 

リスクを下げる努力が必須なのに、それが許されないどころか、ますます混沌を極める状況。

 

私にはどう考えても不可能にしか思えない。

何か秘策が隠されているに違いない。

手品のような秘策が知りたい!

 

興味は尽きないのでした。

 

 

さて転職活動はどうすればいいか?

 

ある日、薬剤師会の勉強会の会場で、研修をした病院の先輩薬剤師がいらっしゃったので、不躾ながら転職したい旨を相談しました。

「それなら、僕より○○先生が詳しいから~。」

と、超大物様をその場で紹介して下さいました。

 

超大物様は直ぐに連絡先を教えて下さりました。

 

私は内心、あちゃ~~~笑い泣き

有難いことだけど、喜ばないといけないんだけれど・・・

緊張するし、どんな態度、どんなやり取りをすれば良いのかわからないやん笑い泣き

なんて思ってしまいました。

 

後日、大阪一円で10数店薬局を経営する社長から連絡がありました。

 

その2へ つづく