我が家の庭に鉢植えの”咲かずの藤”があります(以前紹介済み)。

植えてから今年で30年目ぐらいになります。
5年ほど前に一度だけ花を付けたことがありましたが,今年また
二度目の花を付けました。

たった一房ですが隠れるように咲いています。
この藤を見て又、昔のことを思い出しました。
おいらがまだ物心つかない当時の戦中戦後の物語です。
近い親戚に”お藤さん”という方がおりまして、これまた近い親戚
にお嫁入りしました。いとこ同士の結婚です。
当時は財産を守るために近親の結婚も稀ではなかったようです。
一人娘を生んだところで、お藤さんの夫が外地で戦死をしてしま
いました。
旧憲法下の女性に権利のない時代でしたので戸主(義父)の一存で
一人娘を残し、他家に嫁に出されることになりました。
亡き夫の兄弟をあと取りにするためです。
残された一人娘とおいらは同じ年で”またいとこ”の関係です。
この一人娘とおいらは近くで遊びながら成長しました。
物心がついて、母から上述の経緯を聞き、半解ながら理解できる
ように成ったころ、我が家の葬式にお藤さんという方が来て、ひ
と目を避けるように,残していった一人娘とひそひそと話をして
いる姿が今でも眼に浮かんできます。
哀れというより当時としては田舎離れした感じの、美しい喪服
姿の方でした。
お藤さんを見たのはこの時だけでした。
完
去年の秋の姿です

