受験のために東京へ来て3日目、
2月26日。
 
2次試験、なぜかの中休み。
明日は面接だけ。
 
 
今日は・・・
 
 
楽しむ日!
 
 
ということで、受験生、上野へ行く。
 
ちょど、ドラクロワの『民衆を率いる自由』が上野に来ていた。
 
すんごいラッキーじゃん!
 
と国立博物館へ行く。
 
 
20年前の上野。
現在ほどの美術熱?
みたいなものはなく、
あんまり並んだ覚えもない。
 
 
画の前が混雑していたことには違いない。
少し離れたところから、画を眺めていた。
 
 
たぶん、今と同じようなことを思っていた。
 
「なんで、画をみるのに、みんなこんなに群がるんだろう」
自分もその中のひとり、ということは棚上げして、こんなことを思う。
 
 
そして、これもたぶん、
この画をみたことで、
面接での回答に揺らぎがなくなったのかもしれない。
 
 
 
翌日。
 
 
面接で聞かれるおきまりのフレーズ
 
 
この学校への志望動機を聞かせてください。
 
 
・・・正直なところ、
志望動機はありません。
たぶん、あとからついてくるとおもいます。
入ったら、わかるんだと思います。
 
 
こんな回答。
お決まりのように、この学校のどこがいいとかなんとか言っても
上っ面でしかないし、突っ込まれたら話が続かんと思ったので、
ないものは、ないと言った。
 
 
あと、何を聞かれたか覚えてないが、もう一つ覚えている質問が、
 
 
最近読んだ本で、印象にのこっているものを教えてください。
 
 
このときに、「燃えよ剣」を最近再読してやっぱり素晴らしかったということを延々と話して、止められた(笑)
 
そして、付け足し程度に柳田邦男の「20世紀は人間を幸福にしたか」の感想を言っておいた。
この本は父の勧めで読んだ本だったので、ちょっとだけ父への義理立てをしたのであった。
 
 
面接室を出て、妙な清々しさを感じながら大学を出た。
これがわたしだし。
嘘ついてもしょうがないし。
これでだめなら、その程度の学校ってことだよな。
 
 
と、なんか、強気だった。
 
 
 
結果。
 
 
 
何がどう配分されていたのかはわからないが、
合格。
 
 
実家、脱出成功。
 
 
人生ギャンブル成功。
1999年の春。
 
 
 
夏には恐怖の大王が降りてくるらしかった。
 
 
 
続く。