現在、簿記に関する資格試験と言えば、日商簿記、全商簿記、全経簿記があり、その中で建設業簿記、農業簿記、銀行簿記等、種類が分かれています

先日、私が受験してきたのは、社会福祉法人における会計、簿記等に関する資格試験で、名称は少し変わり「社会福祉法人経営実務検定試験」になります
※主催は(一社)福祉総合研究会、厚労省後援

今回の試験からその枠組みが大きく変わっており、会計は、3級、2級、1級に分かれ、別に経営管理という科目が新設、さらに総合的な入門編として初級が設けられています

詳細は、以前まとめている下記ブログを参照して下さい


今回、私は会計1級と経営管理を受験しました
実際に受験してみて、その傾向や難易度、感じたことについてまとめたいと思います

★会計1級(100分)
設問1(20点)
仕訳問題が4問、出題されました

区分間の資産移管、基本金に絡む取り引きについて理解できているかがポイントでした
以前の試験でも狙われている、頻出の問題だと思います

設問2(20点)
(1)が固定資産等の減価償却と補助金に関する問題が出題されました
これも頻出ですね

(2)が消費税に関する問題が出題されました
これには驚いた受験者が多かったのではないでしょうか?

まさか会計の分野で消費税を計算させるような問題が出ようとは・・

それに社会福祉法人において基準期間の課税売上高が5千万円を超えており、本則課税で申告している法人はそんな多くないと思いますので・・

設問3(20点)
賞与引当金、徴収不能引当金の取引の他、回転数等、財務分析に関係するものが出題されました

7ページに渡る資料をどれだけ速く読み解き、時間を確保できたか次第で設問5にかけられる時間が決まりました

今回はそこまで難しくなかったですが、賞与引当金や徴収不能引当金の問いについて、複雑に作られると厄介になり得ると思います

設問4(20点)
社会福祉充実額に関する問題でした

知っていれば簡単な問題でしたが、そもそもこの額がプラスで残る社会福祉法人は少ないので、重要度を低く考えられていた方が多かったのではないでしょうか?

設問5(20点)
総合問題

日商簿記2級や簿記論の総合問題を彷彿とさせる問題でした

ここでも減価償却と補助金の絡みをクリアできたかが1つのポイントとなっています

時間が足りなかった方が多いと思います
要約法人単位事業活動計算書と要約法人単位貸借対照表の空白欄をどれだけ埋められたか(採点の仕方は分かりません)、後からまとめてではなくて、分かるところから埋めていくというところがポイントでしょう

★経営管理(90分)
設問1(24点)
○✕問題が12問出題されました

この設問1と次の設問2が新しく出題範囲に含まれた部分かなと思います

社会福祉法人の運営、経営、労務、法律に関する内容で、一般常識レベルで難易度は低かったです

設問2(24点)
1問を除いて、三者択一、12問出題されました

設問1同様、社会福祉法人の運営、経営、労務、法律に関する内容で3択ですので、そこまで難易度は高久ありません

12問目だけが7つの選択肢からの複数解答となっていました
この問いだけが、ちょっと難しかったかなと思います

設問3(27点)
経営計画、資金繰り表の問題が出題されました

今後、こういう問いも増えてくるのではないかなと思います

難易度はそれ程高くなく、いかに時間をかけずに設問4に余剰を残せるかがポイントでした

設問4(25点)
固定費、変動費、原価計算、このあたりを絡めての問題が出題されました

この問題は旧試験においても頻出でした
深く理解が出来ていなくても、xやyを使って方程式でも解こうと思えば解けたかと思います

ラストの(4)は○✕が3問、社会福祉法人の財務諸表等電子開示システムに関する問題が取って付け足した感じでありました

以上、テストの全貌になりますが、全体的に見ると会計1級は相応の難易度で時間との勝負になるだろうということ

経営管理の方は、前半の取りこぼしが無ければ、十分、合格できるレベルかなと思いました

合格率がどうなっているかですね
既に問題や解答例は(一社)福祉総合研究会のサイトにて公表されていますので、興味のある方は他の級の試験も含めてご覧になってみて下さい

社会福祉会計簿記の試験の内容については、あまり、情報が出回っていないと思いますし、少し試しにシリーズ物でやってみようかなと思っています
(ツィッターも絡めるかも?)
ではでは、今日も一日頑張っていきましょう!