前回の渋沢健さんのセミナーの話の続きです
セミナーの中で出てきた言葉には、下記のような言葉もありました

「何かと何かを繋げる『と』の力」

この『と』はandの意味らしいですが、言わば車の車輪と同じで、同じ大きさのものでないと真っ直ぐ走れないということを示します

つまり、論語『と』算盤は、一見、結びつきの無いように思えるのですが、だからこそ、繋げることが出来た時には、イノベーションが起こるということなのだと思います

また、企業経営には、サステナビリティ=持続可能性が必須です
この『と』の考え方を追求することで、持続可能性が高まることとなるようです

昨年、私が読んだ本の中で特に良かったのが『両利きの経営』という本でしたが、この『両利き』の考えと渋沢健さんの『と』の考え方をリンクさせると、なお、現代に相応しい考え方になるように感じました

大河ドラマ終盤は、その『と』の考え方にたどり着く渋沢栄一の姿を見ることが出来るのではないかと期待しています



折角、立ち上がった第一国立銀行でしたが、政府が多額の貸付に対して、三井組、小野組に担保を要求してきたため、いきなりピンチを迎えていました

現状、小野組は貸付を上回る借入があることがわかり、破綻は免れ得ない状況となっており、このピンチを小野組から担保を先に国立銀行に差し出してもらうことで乗り切ることとなります

三井の三野村から手紙が届きました
この三村の演技が大河ドラマ後半では面白いですよね

小野組が破綻したため、その株式を譲り受け、第一国立銀行を三井組に取り込もうという策略でした

これに対して、栄一は、大蔵省に判断を委ねるために、銀行検査を受けることにします

大蔵省による西洋式銀行検査(今でいう金融検査)の実施は初めてで、小野組の破綻があった割には、損失を抑えることに努力している点に良い評価を受けます

大隈が報告した銀行検査の結果は、三井組への特権を剥奪し、栄一を今の総監から頭取に就任を任じるというものでした

検査院であってシャンド(※)から銀行はまだ子ども、大事に育てるよう助言を受ける栄一でした

※アレキサンダー・アラン・シャンド→イギリス出身のお雇い外国人で銀行家
栄一は銀行実務の教えをシャンドから受けたと言います

大久保利通と五代友厚は碁を打ちながら、穏やかな顔で意見を交わします

五代は大久保に
「彼を攻めるなら我を省みよ」
という言葉をかけます

そして、大久保に人望が無いのは弱みを見せないからだと言います
しかし、それでは駄目で味方が必要だとも言います

大久保も五代には叶わないと、いつもの険しい顔ではなく、穏やかな顔を見せていました
ただ、五代は胸騒ぎを覚えていました

栄一は静岡の慶喜邸を訪れます
栄一が来るのを慶喜が楽しみにしていたようで
奥方の美賀子と待っていました

栄一が政府のことを慶喜に話すのですが、聴きたくないといった様子
それを察して、プライベートの話に変えると、それには耳を傾けます

美賀子からは亡き平岡円四郎の妻であったやすが来た時の話を聴かされます
この平岡やすの存在、実はこれからの栄一の運命に大きく関わってくることになります

渋沢邸に戻った栄一は、論語を折角学んでいたのに、尊皇攘夷に被れて見失っていたと千代にこぼします

そして、母のゑいのことを思い出すと己よりも人のことばかりを考えることを今後は重視したいと言い、その1つの取組みとして養育院を預かることを千代に話します

果たして、このことを聴いて千代は何を思っていたのでしょうか?

一方、市場の方は、輸入超過となっており、円の価値が下がり、横浜の蚕種屋が経営危機に陥っていました
外国人たちが値が崩れるのを待ち、蚕卵紙が売れ残ってしまっている状態だったからです

しかし、伊藤は公ではなく、民で解決しなければならないと言います
民となれば、、、思い浮かぶのは渋沢栄一でしたが、その名前を聴くと大隈は嫌がっていました

大久保は栄一を呼ぶと、先日の五代の言葉を思い浮かべながら、何とかして欲しいと頼みます

自分は経済のことはわからない
国を助けると思って味方になってくれないかと話すのです

その大久保の言葉に栄一は案を説きます
そして、自ら横浜の貿易商と話をしてくると応えるにでした

蚕卵紙が売れ残り、値が崩れるようなら、一層のこと、買い取り、焼き捨ててしまおうというのがその全貌でした

福地や栗本らは、新聞により世論を動かし、外国を見返そうと話します
その話を聴いた喜作は「10年越しの横浜焼き討ちだ!」と叫びます

蚕卵紙に火をつけます
燃え上がる炎の前に栄一、喜作、惇忠は立ちすくみ、天を見上げていました
それは、まるで今まで囚われていた何かから解き放たれたかのように見えました

正月、渋沢邸にお土産を持った三野村の姿がありました
三野村の老若男女、大人子ども問わずの取り入り方は、栄一から見ても羨ましいぐらいでした

実は、あの小栗上野介の子どもも育てていることを聴きます
栄一は「人は一面ではない」とこぼします

その夜、栄一、喜作、五代、益田らが渋沢邸に集まり、飲み食いしながら、これからのことについて意見を交わします
栄一は論語をもとに商いの世を再構築したいと話します

その日は三野村も渋沢邸を訪れており、栄一は日本初の私立銀行三井銀行を開業したことにお祝いの言葉を伝えます

三野村が恐いのは、お金中心の世の中になってきていることだと言います
この言葉を重く受け止めた栄一でした
そして、三野村はこの翌年に病で亡くなります

これは私たちの今の時代でも同じステージを迎えているのではないでしょうか?
私は「歴史は全く同じことは起こらないが、似たようなことは繰り返す」と考えています

お金の呪縛から皆が外れるためのヒントはこの時代にあるのではないでしょうか?

薩摩の西郷隆盛は西南戦争に負け、自刃したことを栄一は新聞で知ることになります
さらには、大久保利通が紀尾井坂にて不平士族に暗殺されます

この話を聴くと、漫画『るろうに剣心』世代のわたしとしては、不平士族から殺される前に瀬田宗次郎が暗殺を完了していたことを思い出します(もちろん、フィクションです)

維新三傑に数えられた木戸孝允(桂小五郎)は病で亡くなり、残りの2人、西郷隆盛、大久保利通も舞台から降りることとなります

さて、次回は、大きな野望を抱え、政府に近づいてきていた岩崎弥太郎と栄一が合間見えます
同じ商人でありながら、真逆の考え方を持っていた二人

果たしてどのような名言が飛び出すのか!?
放送を楽しみにして待ちましょう!!

ではでは、今日も一日頑張っていきましょう!