あるお客様からこういうふうな質問を受けました

「職員が仕事を頑張っていたので、昼食代を法人もちで出そうと思うのですが、福利厚生費で落として良いですか?」

所得税基本通達の中にある経済的利益の部分では、使用者が役員又は使用人に食事を支給した場合のその食事の価額に相当する経済的利益は、支給時の時価を基礎として給与課税が行われるといった事が記載されています

また、役員、使用人が食事の価額の50%以上を負担している場合には経済的利益は課税されません。ただし、使用者の負担額が月額3,500円を超えるときは使用者が負担した全額が課税の対象となるとも記載されています

正直、実務上では、そこまで頻繁に食事を提供するという事は出てこないのが通常ではありますが、理解していても、なかなかこの基準を満たすというのは難しい感じがします

一般的に職員への差し入れやお土産を買ってきて提供する場面はよく見ますし、それをイチイチ誰にいくら分の費用を使ったなんて記録はまず残していないでしょう

入院施設や福祉施設で働いている職員に給食を無償で提供していた場合も経済的利益になります(最低でも原価分の対価は徴収しましょう)

要は一定の者だけに、極端に限度を越えていたらという事になるのだろうなと思います

経済的利益としては他にも下記のようなものが該当します
①物品その他の資産を無償または低い価額により受けた場合

②家屋、金銭その他の資産を無償または低い対価で貸付を受けた場合

③無償または低い価額により福利厚生施設の利用などをした場合

④個人的債務の免除を受け、または他人が債務を負担した場合

⑤従業員社宅につき、徴収している家賃等の額が通常の賃貸料相当額の1/2に満たない時の賃貸料相当額と徴収している家賃の差額

⑥役員社宅につき、徴収している家賃等の額が通常の賃貸料相当額に満たないときの賃貸料相当額と徴収している家賃の差額

この中でも特に⑤と⑥は税務調査で指摘を受けた事があるため注意が必要です

通常の賃貸料については、同じような条件である物件の賃貸料を広告やネットで調べて、実際徴収すべき賃貸料を設定する事になるかと思います(地域でバラツキがあります)

また、②においては例えば法人所有の駐車場を無償で一定の職員に貸し付ける例は多いですが、それも経済的利益になります

いろいろと取引を見ていると、これは無償で良いのか?とか安すぎやしないか?と感じる事があるかと思います

そういった時はこの経済的利益に該当していないかわチェックするようにして下さい

ではでは、今日も1日頑張っていきましょう!