第六章 2008年~2019年 

         (社長業第三期)

 

   (84) 大相撲日赤場所

 

2016年に、

「イベント企画制作事業」を廃業。

それ以降は、

チャリティ目的の会合も

開催することはなかった。

 

しかしトキワ、あるいは私と

日本赤十字社とのこれまでの関係は

他の支援者とは違い、

自らが多額な寄付をするという

支援の仕方ではなく、

イベントを開催して、

その中で行うゲームや

オークションで参加者から募った

チャリティをトキワが取りまとめて

日赤へ寄付するといった関係。

この事は日赤の支援団体

『日赤紺綬有功会』へ

私がお誘いを受けて入会する時点で

事務局へ申し上げていた。

「 私は他の会員さんのように

    個人的に多額の寄付をすることは

  出来ませんが

    チャリティイベントを開催、

    そこへ参加する友人知人、

  あるいはその同伴者の協力で

  寄付させていただきます。

    そして日本赤十字社の

  日頃の活動をそのイベントの中で

  PRしたいと考えています。

    そんな支援の仕方で

  宜しければ…。」

 

ところがこの近年、

家内のこともあって

そのチャリティ目的の会合すら

開催することなく4年半が経過。

その間、日赤では本社代議員、

支部の副会長や評議員という役職から

諸会合に出席はしていたが

本来の目的である「支援活動」は

全く行っていなかった。

平素私が最も嫌う

「名ばかりの役職」。

そんな自分にも恥じていた。

 

そこで2019年8月31日。

上野精養軒本店に於いて

久々にチャリティイベントを開催。

 

長年イベントをプロデュース

してきた私だが、

久々の集客活動に

改めてこれまで参加者視点から

大切にしてきた事を確認。

それは…。

1、 題材の面白さ

2、 参加費の妥当性

3、 会場の立地条件

他、自分で言うのも何だが

参加者の中には

「 萩原へのお付き合い 」が、

あることも

私自身重々承知している。

だからそのお付き合いを

してくれる方にも

「 楽しかった。」

「 食べ物・飲み物は充分だった。」

この2つを感じていただける事が

私の中では必須事項で、

「萩原の会は途中で食べ物、

 飲み物がなくなる事はない。」

ヴッフェスタイルの場合、

とかく他の会でありがちな

この点については、

私の会に限ってはないと

以前より参加者から

高評価をいただいていた。

 

その為に前者は私の企画次第、

後者は無理わがままの効く

会場での開催が必要となる。

特定の会場を贔屓にして

数多く使用していると

ここでは明らかに出来ない

「商売上」の特典が多々ある。

 

参加者にとって、

そんな裏話しよりも

大切な事は現実で、

私自身も客として、

イベントに参加する際、

この2つと会費とのバランスを

顧客視点で見て来た。

 

そこで今回の企画は

一般的にはあまり知られていない

「大相撲の裏方の世界」

題材にしてみようと考えた。

旧知の仲、元水戸泉の錦戸親方、

十両格行司の木村朝之助さん、

同じく十両呼出しの邦夫さんに

協力を要請して

 日本赤十字社活動資金チャリティ

     大相撲あれこれ

と題したイベントを

開催することにした。

会費は1万円。

 

特に錦戸親方には

絶大なる協力をいただき、

親方はこの会の名称を

「大相撲あれこれ」ではなく

「大相撲日赤場所」は?と発案、

実弟で錦戸部屋の代表代行・

元梅の里関と部屋の力士2名が

会場で「本場ちゃんこ鍋」を料理、

参加者に振る舞ってくれた。

 

より:元梅の里・若ノ湖・極芯道

 

更に親方は、

メインプログラムの

「チャリティオークション」に、

「長手形」という

横綱大関4力士のサイン入り手形、

中央には立行司の落款入り書、

それを表装して額に入れた物を寄付。

親方はこの手配を全て自腹で、

してくれた。

 

当日は76名の方々に

ご来場いただいたが、

事前案内にユニークな告知を。

それは、

「景品付きドレスコード」

当日、「着物」あるいは「浴衣」で

ご来場された方には「相撲グッズ」を

もれなくプレゼント。

20名以上の方がこの和装で来場、

錦上花を添えてくれた。

 

 

上野・精養軒本店は、

これまでトキワが数多くの

イベントを開催して来た会場。

それは父の時代から

50年を超える長いお付き合いで

前述のわがままも効く。

「ちゃんこ鍋」など

飲食が伴う宴会場として、

食品衛生管理上や商売上からも

部外者が食材持ち込みで調理など

本来、絶対に許されない。

 

本会場の隣室には、

ちょっとした

「相撲博物館」も開設して

参加者に喜んでいただいた。

父の影響で子供の頃から

相撲界と接して来た私。

これまでお付き合いをして来た

大相撲関係者から頂戴した

お金では買えない

私の大切な宝物の数々を

この日、展示させていただいた。

 

 

朝潮関の「三賞盾」や水戸泉関の「場所布団」

・「ミニチュア横綱」他

 

小錦関の「優勝トロフィ」・「長手形」や

朝之助さん筆耕「板番付」他

 

そして「立ち合い」(開宴)。

イベント事業をしている時代は、

多くの司会者と仕事をして来たが、

ここは「餅は餅屋」

ジャンルが「大相撲」なら

もちろんこの方。

元NHK大相撲実況中継の

アナウンサー・緒方喜治氏。

これまで様々な会の司会を

お願いして来た。

緒方アナとは、

仕事の繋がりもさることながら

「息子の結婚披露宴」、

「家内のメモリアル一周忌」と

プライベートな萩原家の節目でも

司会をお願いして来た。

そこでこのイベントが決まり

早速、連絡を取ると…。

 

残念ながらその日は既に、

相撲関係の司会の仕事が

入っているとの事。

 

では他の司会者を…。

そうも考えてはみたが、

いくら司会のプロとは言え

相撲に関する専門的な知識なくして

司会進行は…。

 

そこで小学生時代、

NHK大相撲中継に

「相撲豆博士」として

テレビ出演したこともある私(笑)

私が司会をすればギャラも不要、

日赤への寄付がより増える。

 

さぁ!いよいよ

『大相撲日赤場所』の「立ち合い」。

そしてその「取り組み」

(プログラム)は…。

 

    【第一部】

1)  「土俵祭り」実演  

 (朝之助行司・呼出し邦夫)

 

 

2)  親方に聞く

 (錦戸親方へインタビュー

  聞き手:私)

3)「幕の内土俵入り」実演

 (場内放送:朝之助行司

  拍子木:呼出し邦夫)

4)「取り組み呼び上げ」実演

 (呼出し邦夫)

 

 

5) 「太鼓の打ち分け」実演

 (呼出し邦夫)

 

 

    【第二部】

1)  色紙販売

 (筆耕:朝之助行司)

2)  チャリティオークション

 

第一部の

3)「幕の内土俵入り」実演とは、

大相撲本場所で

実際に場内放送を担当している

行司の木村朝之助さん。

幕内力士が土俵入りをする際、

「四股名」「出身地」「所属部屋」を

ひとり一人呼み上げる。

この日はその模擬の呼み上げ、

そこに呼出し邦夫さんが

その都度、拍子木を入れる。

参加者からは、

「 まるで国技館にいるよう」

大好評だった。

 

第二部の

1)「色紙販売」は、

10枚限定。

本場所、「満員御礼」が出た際、

相撲協会より限られた関係者にだけ

配付される貴重な「大入り袋」を

色紙に添付、

そこに相撲字で四字熟語や取り組みを

朝之助さんが筆耕したものを

参加者に販売する。

更に朝之助さんがその場で

相撲字によりその大入袋に

購入者からリクエストされた

宛名を筆耕。

平素、相撲字を書くのは

行司さんの仕事。

会社や飲食店の名前を入れると

「大入り」の縁起物にもなる。

こちらも大好評で、すぐに完売。

売上金は全てチャリティ。

 

    「色紙販売」の色紙

     筆耕:木村朝之助さん

 

そして「結びの一番」

(メインイベント)

「チャリティオークション」

 

この日参加の大相撲関係者から

持ち寄られた非売品の

大相撲グッズ18点を

参加者にセリ落としていただく。

 

   オークションの品々

 

  親方の名入りの浴衣地を落札した参加者

 

さぁ!

オークションの結びは、

前述の錦戸親方寄贈の「長手形」。

参加者の中のお二人が

最後の最後まで双方譲らず、

「がっぷり四つ」

セリにセった落札価格は、

この日最高額の16万円。

 

 長手形を16万円で落札したのは

 日赤紺綬有効会の同志・野村さん

 

この日のチャリティの総合計は

462,000円。

そこへトキワが端数を加え、

合計50万円を

日本赤十字社へ活動資金として

「熱き一善」した。

 

因みにこの「熱き一善」とは、

私の造語で、

トキワがするチャリティの名称。

 

  日赤に「熱き一善」を贈呈

 

こうして4年半ぶりに開催した

チャリティイベントも

大相撲関係者の絶大なる協力により

大盛況のうちに「打ち出し」。

イベント企画制作事業は

既に廃業したが、

これからもチャリティを目的とした

イベントは開催、

「コンスタントな社会貢献」

を継続させたいと

改めて心した日でもあった。

 

(つづく)

 

追 伸:

この「大相撲日赤場所」。

その第2回目が本年12月23日、

午後12時より開催される事が

内定しました。

ご参加いただける方は是非!

 

※ 今月は5週あることから

  次週29日(月)のこのブログは

  お休みとさせていただき

  次回は6月5日(月)の配信

   となります。

  ご了承のほどお願いします。