<TOKIKO NOW>『嵐が過ぎて、26日はフジテレビバイキングに出演!』 | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

<TOKIKO NOW>『嵐が過ぎて、26日はフジテレビバイキングに出演!』

台風21号の吹き荒れる中、私は相変わらず、東奔西走。
まあよくぞ、台風にぶつからずに予定をクリア出来たと、ホッとしているところです。
皆さんはいかがでしたか?

先週は二回も北海道に滞在、なんだか通勤感覚て飛行機に乗ってる日々。
10月17日は、札幌で酪農について考えるシンポジウムで歌わせていただいた後、北海道立文学館で開かれている、チェーホフのサハリン展を見に行きました。そして一度東京に帰りひとつ仕事をして、19日、20日の二日間知床半島で、番組のロケがありました。
なぜかどの日も晴天に恵まれ、何という幸せ者か、と呆れてしまうほど。


 

さて、大作家チェーホフがサハリンに行ったのは1890年、30歳の時。流刑の島だったサハリンで、驚くべき島民の聞き取り調査をした、その足跡をキタラ公園の一角にあるこの文学館で展示、と聞き、駆けつけた、というわけ。

19世紀中頃から、たくさんの思想犯がこの極東の島に送られた歴史があり、流行作家として大活躍中にもかかわらず、約1年間の時間をかけて、サハリンの全島民の暮らしぶり、経歴、その言葉の一つ一つを克明に記録した、驚くべきエネルギーに、脱帽。

今、彼の残した名著「サハリン島」を熟読中です。
と言っても、記録している事実のあまりに克明なため、数ページ読むと、力尽きて、眠くなっちゃうんだけどね(泣)。
でも、彼のものを見る凄まじい執念は、久々にロシア文学の力量に圧倒されます。

少し前から、実はショーロホフの「静かなドン」にハマっていました。
こちらも新刊がないのですが、友人が持っていた全集で読み始めましたが、字が小さくて大変!

それでもなぜ今読むのか?
それは、ソロソロ私の全地図を見極める時かも、と思い、来年のコンサートを「Tokikos History ~ 花はどこへ行った」と決めて準備を進めているからです。それに、来年の6月にはサハリンでのコンサートも、計画中なので…。

ピーター・ポール・アンド・マリーや、マレーネ・デートリヒが歌ったこの歌は、アメリカのフォークソングの元祖、ピート・シガーが、ショーロホフの「静かなドン」の中からピックアップした詩が元になっているのです。

アメリカの代表的な反戦歌となった「花はどこへ行った」のバックグランドを見極めたくて、ついにドン川を見に行くことになっちゃいました。
黒海のほとり、ウクライナとロシアの国境の町、ロストフに、11月の初めから行ってきます。

そんな折も折、22日の日曜日、西宮の教会で、「アナーキズム入門」の若き著者、森元斎さんを囲む会があったのです。
23日に神戸でコンサートがあったので、台風の来る前にと、この日朝から東京を出てこの集まりに出席しました。

彼は九州で百姓をやりながら哲学する人。かっこいいよね。
断然応援したい!しかも、チェーホフだのショーロホフだのと、この周辺をうろついてる私にとって、なぜ今若い人がここに向かうのか?
放って置けないのよ。

もうこれ以上詳しい話になると、ついてきたくない人もあるでしょうから、説明はやめます。でも、私たちの世代には大事なビッグネイム、プルードン、バクーニン、クロポトキン…こうした鉄人たちのことを紹介してるこの本の出版は本当に嬉しい。

20世紀の精神的な屋台骨を作った彼らのものの見方、行動の仕方を見ていると、本当に力が湧きます。
ピートシガーが見事に言ってくれています。

「私は先人たちの掘った井戸の水を飲んでいる。
 私は先人たちの灯した火で体を温めている」

私の感じ方とピートはとっても近いです。
生きている地面の深さがどんどん浅く、どこにも支えになるアイデンティティが見えないこの頃、だからこそ、心の地層を見極めよう、と踏ん張る登紀子です。

ところで、知床では、ウトロと岬の先端の中ほどにあるルシャの番屋を訪ね、ヒグマと数時間を共に過ごしました。
そこに住む網元の大瀬初三郎さんとのすばらしい対話、番組放送は11月後半ですが、ぜひ楽しみにしていてください。
知床の海で歌った「知床旅情」も、感無量でした!
 


 

今週は、26日にフジテレビのお昼の生番組バイキングに出演し、週末の28、29日は代々木公園で「Love Farmersフェス」です。
私の出演は29日の夕方ですが、Yaeは二日間ともいるそうで、ブースを出しているそうなので遊びに行ってください。

さあ、いろんなことが濃くなってきた日々。
大切に、ひとつひとつ出会っていきましょう!
落ち込むことも、きっと多いけど、そんな時こそ、自分自身を耕しましょう。

「ほろ酔いコンサート」の準備も進んでます。
今年は東京45回、大阪40回、名古屋35回と、大きな節目です。

登紀子