<TOKIKO NOW>『「母に感謝のコンサート」まで走りきりました!』 | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

<TOKIKO NOW>『「母に感謝のコンサート」まで走りきりました!』

大雨だった13日は南こうせつさんの「Green Paradise」の日比谷野音にシークレットゲストで出演、その夜に大阪に入り、14日は大阪城ホールで「母に感謝のコンサート」に、こちらもシークレットゲストで出演しました。


どちらも素晴らしいコンサートで、たくさんのアーティストが結集、興奮のうちに歌わせていただきました。
13日は雨の中 なのに、熱気いっぱいの観客席、びしょ濡れのスタッフの完璧なステージ運びにも感動。
楽屋からノリノリで、久しぶりにあった遠藤賢司さんとも、随分いろんな話が出来ました。


 

さてその前までも旅続き、何故か震災被災地の東北が続きました。
連休後半、5日こどもの日には、大船渡からにっぽん丸に乗船。
乗り込む前に、思い出の場所に行きました。
1992年8月12日、大きな野外コンサートをしたサン・アンドレス公園。
2011年の東日本大震災の津波で、瓦礫に 埋もれて近付け なかったステージ。今も建設資材置き場になっていますが、近くには復興を願う鐘が作られ、整備されていたので中に入り、記念に写真を撮りました。

 

モニュメントになっている塔の壁面に津波が押し寄せた潮位が記されていて、改めてその高さに驚きます。
大船渡では、海岸沿いのかさ上げも終わり、新しい観光施設もオープン、賑わいを見せていました。なんとか、前に向かってスタートしたばかり。
頑張って欲しいですね。

その次の週には、NHK の「きらりえん旅」で南相馬ロケ。
南相馬の海沿いは大きな津波被害があったのですが、原発の事故の影響でより大きな問題を抱えることになり、かえってその被害が伝わってこなかったかもしれません。 今回は去年7月に避難解除になった小高区を中心に回ったのですが、あえて2012年2月に尋ねた海辺を再び歩いてみました。

あまりにも広大な津波被災地。いくつもの街が根こそぎ なくなっていた地域は今もほとんどそのまま。呆然としながらも、じっくり歩いてみると、復活した田んぼもあり、菜の花畑になった地域もあり、そして海岸には巨大な防潮堤が出来上がりつつありました。



大きな喪失を被りながらも、 昂然と前を向いて来た人たちの言葉の一つ一つが強烈に 響く 旅になりました。放送は6月27日です。ぜひ見てください。

 

ところで5月4日にNHK長崎だけで放送されたドキュメンタリードラマ「あんとき、」に私、出演していました。いくつか問い合わせもあり、大きな反響だったようです。もちろん私はDVDで見ましたが、主演の小木戸利光くんの熱演、私の夫役の田中泯 さんの 名演など、そして何より、ニュースフィルムに残された長崎原爆の映像や、被爆を語る人たちの存在感に、目を泣き腫らすほど、ズッシリと心揺さぶられる内容でした。 いつか全国放送されると思いますが、 是非みなさんに観てただきたいな、と思いました。

そしてもう一本、今映画館で上映中の「ノー・エスケイプ 」も観たんです。 これも すごい映画でした。
メキシコからアメリカへ、国境を越える人たちの ドラマ。それも一言で言うと 、「絶望したアメリカ人と、生きようともがく希望の対決」とでも言える、壮絶な バトル。

決して 政治的な匂いのない映画だけれど、幾度も戦争に駆り出されて来た 退役軍人の、深い狂気に満ちた絶望感が、移民への憎悪となっている今のアメリカ。その解決のない 憤懣がトランプを生み出したのだろうと、悲しい納得が心に残りました。よかったら観てください。

さて 「ひばりとピアフ」本番まで、後2週間。待ち遠しくてうずうずしています。5月28日神戸国際会館の日には、2枚組のライブCDも発売します。どうぞお楽しみに。