<TOKIKO NOW>『25日、高崎で「ピアフ物語」です。』 | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

<TOKIKO NOW>『25日、高崎で「ピアフ物語」です。』

大阪での「ピアフ物語」、興奮渦巻くうちに19日、梅芸のシアター・ドラマシティで終わりました!
この「ピアフ物語」は、マレーネ・ディートリヒからエディット・ピアフへの転換、今回初披露のシャンソン、二人分のセリフなど、なかなか油断のならないプログラムで、緊張する分だけ、興奮がかさなり、終わった時の充足感が大きいです。

やっぱりピアフの歌は力をくれる!
歌って疲れるはずが、不思議につかれないのです。14日に発売になった著書「愛の讃歌-ピアフの生きた時代」も好評で、読んでくださった方からの返信が続々届き始めています。
「読み終わった時、なぜか暖かな風が吹いてるような読了感」と書いてくださった方がありました。うれしいです。

過酷な運命を踏破したピアフの物語、読み終わった時も、歌い終わった時も、ピアフのなかを突き抜けた力が、自分の体にも通り抜けたようで、知らず知らず強くなっているのね、きっと。





さて、この夏は「ピアフ物語」が終わると、フジロックへの準備が始まります。
今年は7月22、23、24日の三日間とも大忙しです。
カフェ・ド・パリという洒落た小屋で「ピアフ物語」ダイジェストを、二日間。最後の日には、ラブファーマーズのプロジェクトで、あの「あまちゃん」や最近の「トットちゃんねる」でお馴染みの大友良英さんとセッションします。
2008年秋の「土と平和の祭典」から、参加してくれているFUNKISTも来てくれます。凄いことになりそう!

3日目にはアトミック・カフェのステージでも、思い切り熱く語り、大友さんとの初めてのドッキングもご披露します。
音楽の場に政治的な発言を持ち込むな、といった嫌がらせのツイートが、最近はびこっているようですが、逆にそういうツッコミこそ嫌な政治的なバックグラン ドが歴然としてますね。「自分が伝えたいこと、叫びたいこと、訴えたいことを自分の言葉と音楽で歌う。それが歌手ってものよ。」 BuzzFeed Japanにコメント発表しています。見てください。

選挙が公示されると、いろんな締め付けが増えるようですが、本当は、この期間中こそ、誰も彼もが自由に思いの丈を発言し、論争するべき期間でしょう。政治の現状への不満や要求、怒り、何でも堂々と発言するべきだと思います。

21日に明治学院大学のキャンパスで講演会を開いた中村哲さん。
紛争地帯のアフガニスタンで医療活動から始まり、飲み水の確保のための井戸掘り、砂漠の緑化、農業の復活という奇跡をやり遂げ、60万人もの難民を故郷に返す事に成功した偉大な30年を語ってくれました。



この間、ソ連のアフガン侵入があり、内戦があり、9・11のテロを受けた無差別爆撃があり、それでも揺るぎ無く、一歩も引かず、大きな土木工事をやり遂げたことに、ただただ敬服します。

戦争、特にアメリカが2001年テロへの報復として行った爆撃が、いかに地域を破滅に陥れる事になったか、2008年日本が自衛隊を派遣する国に なった事で、日本に対するこれまでの信頼がどれほど傷つけられたか、今日本人として知っておかなければいけない大切な言葉に、胸が痛くなりました。

私の「ピアフ物語」の主人公エディット・ピアフも、マレーネ・ディートリヒも、果敢に戦争という絶望に向き合い、抵抗した人。
本気で生きようとする時、人間って、なんて強いのか!
渦巻くような力を、二人から感じています。

さあ25日は、群馬音楽センターで「ピアフ物語」です。
是非是非お見逃しなく!


登紀子