<TOKIKO NOW>『ホセ・ムヒカさんの講演会に行ってきました。』 | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

<TOKIKO NOW>『ホセ・ムヒカさんの講演会に行ってきました。』








東京外語大学のキャンパスで、学生のためのトークは、温かくて、解りやすくて素敵でした。
2012年のリオデジャネイロで行われた環境サミットでのホセさんの演説が、「世界で一番貧しい大統領」という本になり、今大ヒット。
出版したのは汐文社、「はだしのゲン」を出版している会社です。
今また、ホセ・ムヒカの伝記本が文庫で発売になっているそうです。
2010年から15年までウルグァイの大統領だったホセさんは、大統領の給料の90パーセントを寄付、官邸に住むことを拒否し、小さな農場のある自宅に奥さんと二人で暮らし、二人乗りのフォルクス・ワーゲンを自分で運転しています。
「世界で一番貧しい、ではなく、質素なだけだ」とホセさんは反論しています。
「貧しい、というのはいくらものがあっても満足できない人の事。お金でものを買っている、と思っているけれど、あなたは大切な時間で買っているのです。すべての価値の中で最も大切な価値は、生きていること。人生のかけがえのない年月をお金では買えないのです。
好きな時間を好きなように過ごせることが、自由ということ。でも、人はアリストテレスも言っているように社会的な生き物です。つまり一人では生きられな
い。だから政治が必要なのです。今は金融資本が世界を動かし深刻な事態を招いている。とても怖いことは、私達の社会が、そのお金の暴走を誰も止められない
こと。
人間の欲望を抑制し、富を分け合う世界を作るために、意志を持って闘わなければなりません。日本の若い君たちは、政治に無関心で、選挙と投票に30パーセントの人しか行かないそうですね。つまり信じられないのですね、自分自身をも。
でも失望が勝利してしまわないように、希望を育てることが必要です。
人生には二つの選択があります。ただ流されて生きるか、意志を持ってよく生きようとするか。最も不幸なことは孤独です。一人で生きないでください。血が繋
がっていなくてもいいけれど、家族が必要です。思いを共にする人と、つながりましょう。完璧な勝利はありませんが、完璧な敗北もないのです。必ずそこから
の一歩が踏み出せるはずです。
私の長い生涯でもどれほどの事ができたかわかりませんが、少なくとも、後から歩いてくる人たちが歩きやすいように道を耕してきた、と思っています。美しく生きて行って下さい。
体が動くうちは働いて、生きているという奇跡を喜び、歌いあげましょう。」


ホセさんの言葉を、毎週月曜日夜7時からの「加藤登紀子の地球に乾杯!!」でも紹介しています。本も読んでください。
きのうはその後、ロシア料理の我がレストラン、スンガリーで「ピアフを語る夕食会」があり、「エディット・ピアフという生き方」の著者、山口路子さ
んや評論家の大野修平さん、コラムニストの中森明夫さん、中川右介さん、そして、数学者の秋山仁さん、由美かおるさんという顔ぶれで、大いに盛り上がりま
した。



来週の週末16日は、佐倉市でのコンサート。
その次の24日の日曜日は、アースデイです。代々木公園で、キーボードのYancyとサックスのクリスとのライブです。楽しみにしていてください。
登紀子

4月16日(土)

加藤登紀子 命結~ぬちゆい~トーク&ライブ

佐倉市民音楽ホール

https://www.facebook.com/events/1022402104484724/

4月24日(日)

アースデイ@代々木公園

https://www.facebook.com/earthdaytokyo