<TOKIKO NOW> 「8日は日比谷公園でPEACE ON EARTHのイベント!」 | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

<TOKIKO NOW> 「8日は日比谷公園でPEACE ON EARTHのイベント!」

茨城県の阿見町のコンサート、そして南相馬のゆめはっとホールでのコンサート、共に熱い思いの溢れる大事なコンサートになりました。
加藤登紀子50周年コンサートは、それぞれの街に込められた思いにしっかり答えること、を目指し、プログラムを練り上げて取り組んでいますが、この二日間はその大きな山の一つでした。

阿見町は2003年の2月、夫が他界した後の鴨川自然王国を訪ねてくれた若者、斎藤博嗣が新しい農業と田舎暮らしを目指して移り住んだ街。
人口4万人のこの街を、音楽推進の町にしようと、町の肝いりでコンサートを企画してくださいました。
朝10時頃から並んだお客さんもいらして、その熱気は凄いものでした。
ウルウル、ワクワクが抑えきれない場内の空気がビンビン伝わってきました。



この町は、私の歌っている「君が生まれたあの日」にちなんで始まった「未来への手紙」プロジェクトに参加していて母子手帳の配布の時に手紙を呼びかけて募集しています。この日も地元の君原小学校で、子供たちに向けて書いた手紙を、お父さんやお母さんが朗読する授業に参加しました。
多分普通は、子供たちが朗読するのを親達が聞く授業参観ということになるのですが、この日は子供たちが親の生の朗読を聞く、という特別の時間。子供たちが集中して聞いている姿に感激しました。中には泣きそうになってる子供もいて、こういう事がもっと広がればいいな、と思いました。

さて、次の日の福島県南相馬は、東日本大震災で地震、津波、原発事故のすべての被害を受け、今も街の一部が立ち入り禁止区域になっており、コンサートの開かれた原町でも放射線量を測りながらの暮らしを強いられているし、帰れる見込みの難しい地域からの避難生活を強いられている人たちも多く、会場からひたひたと伝わってくる、いろんな気持ちを感じながら、真剣に歌に向き合ってくる人達の思いの一粒一粒を受け止め、一曲一曲がいつもにも増して、意味深く大切な気がしました。



震災直後に作詞作曲した「今どこにいますか」で幕を開けた2部。東京から駆けつけてくださった作曲家の伊藤康英さんのピアノで「貝殻のうた」を歌いました。作詞の和合亮一さんは福島の詩人。心に沁みる言葉です。


ピアニストの伊藤康英さんと。


コンサートの後半は「愛しかない時」「愛の讃歌」そして私の「愛を耕すものたちよ」、「百万本のバラ」。アンコールでは総立ちになった「富士山だ」と「知床旅情」。
忘れがたいコンサートになりました。
打ち上げには、この町でいろんな活動に力を尽くしている人達が集まり、大いに語り飲みました。翌日は、震災直後から、必死の思いで子供たちの安全を守りながら保育を続けてきた「よつば保育園」を訪ね、元気いっぱいの子供たちと会いました。一人一人が可愛いエネルギーに満ちていて、胸いっぱい!絶対に守らなきゃいけない貴重な未来ですよね、本当に。



その後に訪れたのは飯館村。2011年5月25日に歌って以来4年ぶり。除染を進めてきた村にはおびただしい除染の土が積まれていますが、これはいずれどこかに運ばれなければいけない仮置き場。解決の大変さを痛感しました。
体育館には、2011年のコンサートを実行した「負けねど飯館」のメンバーと、一緒にコーラスした人が来てくださり、あの日、この場所で仕上げた「命結-ぬちゆい」を改めて歌いました。



この時のドキュメンタリーは、福島テレビで後日放送されます。ぜひ見てください。

3月1日はNHKホールでラジオ深夜便コンサートの公開収録があります。
「百万本のバラ」に伊藤康英さんが素晴らしいコーラスアレンジをしてくだり、ラトビアでこの歌が生まれてからの物語を込めた特別の「百万本のバラ」の初披露ということで、たくさんのコーラスの方達が出演します。とっても楽しみですが、とってもドキドキしています!

来週末、3月7日、8日は日比谷公園でPEACE ON EARTHのイベントがあり、私は8日のお昼過ぎから、きたやまおさむさんと出演します。11日にも代々木公園で追悼に参加します。是非是非みなさんいらして下さい。

登紀子