<TOKIKO NOW> 「今週末は南相馬のコンサートです!!」 | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

<TOKIKO NOW> 「今週末は南相馬のコンサートです!!」

朝からの地震、津波報道にハラハラでしたね。
東北の皆さんは、本当に心配されたことでしょう!
そんな騒ぎの真っ最中に、東京の空に雪が舞いました!
間も無く止んでくれましたが、大変な1日の始まりになりました。

さて、先週は、またまた寒い街の仕事が続きましたが、新潟市主催の「水と土の芸術祭2015 第2回プレシンポジウム 自然との共生 ~命はぐくむ水と土のグラデーションをみつめて~」が開かれた11日の新潟市は、意外や意外、全く雪がなく、驚いていると、新潟の人たちは悔しがって、「新潟県は大雪でも、新潟の駅周辺はいつだってほとんど積雪は無いんですよ」と強調してらっしゃいました。
ちょっと風邪気味の私は、万全の防備で暖かくしてたので、暑いくらい!
イベントを準備してる人たちが皆、積極的で、お役所的な感じが全くない素晴らしいイベントでした。

1部を任された私は、コンサートではなかなか取り上げられないテーマ、八ッ場ダムの事と、飯館村のお話を、歌と映像でお伝えしました。



本体工事が始まってしまった八ッ場では、冬の年中行事だった「湯かけ祭り」も去年で終わり、川原湯温泉のほとんどが代替え地に引越したそうですが、今も、このダムの正当性には疑問点が多く、すぐ近くに浅間山という活火山が活動中であること、ダムの地盤が火山性の土壌で弱いこと、予想される堆砂量の計算方法に問題があるなど、私も参加している「八ッ場あしたの会」から、疑問点を提出しているところです。政治的な駆け引きで着工してしまってはいますが、大きな被害が発生してからではどうしようもない!まだ諦めてはいけない、と思っています。



八ッ場ダムで沈むことになってしまった、川原湯温泉の古い写真のスライドショーと共に、1996年に作詞作曲した「そこには風が吹いていた」を歌いながら、何年もの間、ダム問題に苦しめられてきた人たちを思い、胸が詰まりました。
美しく大切なふるさとを、次々と失って行く悲しみは、福島第一原発の事故で決定的になりましたね。本当に言葉がありません。

2011年5月25日、計画避難で全村離村となった飯舘村で仕上げた「命結-ぬちゆい」という歌を、3・11以降の飯舘村の映像と共に歌いました。いつ歌っても嗚咽が抑えきれず困ります。



今週末の22日の日曜日は南相馬でコンサートがあります。もちろんこの歌も歌いますよ。
その翌日には、久しぶりに飯舘村を訪ねる予定です。
外からの人間には計り知れない色んな苦しみがこの4年の間にあったことでしょう。
色んなお話が聞けたら、と思っています。

私のトークを締めたのは去年の新曲「愛を耕すものたちよ」。
今年はこの歌の歌詞から「ラブ・ファーマー」というコンセプトでの色んな活動が始められそうです。楽しみにしていてください。

先週末土曜日、バレンタインデーの夜は、八ヶ岳高原音楽堂で「ピアフの生きた時代を歌い語る」コンサートでした。





去年、京都の春秋座で初演したプログラムそのままに再演。
一人で、マレーネ・デートリヒとエディット・ピアフの両方を演じ歌う超ハードなプログラム。険しい山登りのような一瞬一瞬に、否応なしにテンションは上がり、痛快な気持ちで歌いきりました!



このプログラムは、死ぬまで続けて行きたいな、なんて思っています!

では、今週土曜日に茨城県の阿見町、日曜日には南相馬でお会いしましょう。

登紀子