いよいよ明日、 ポーランドの「旅のチカラ」放送です。 | 加藤登紀子オフィシャルブログ「Tokiko Kiss」Powered by Ameba

いよいよ明日、 ポーランドの「旅のチカラ」放送です。

NHKBSプレミアムで26日夜9時から、ポーランドへ行った旅の番組が放送されます。
ちょうど帰国してから一ヶ月。待ち遠しかった!

そもそもは、30年前の1982年、坂本龍一さんと二人で、1930年代のヨーロッパの音楽をアルバムにした時、ポーランドのパルチザンソングの「今日は帰れない」をレコーディングしたことに始まる。

「愛はすべてを赦す」というそのアルバムで、この歌を坂本さんのピアノ一本で歌っている。このアルバムは、全音楽を坂本龍一一人で創っている事が魅力。アコースティックピアノを中心に、彼のシンセサイザーを駆使した特徴的な坂本サウンド。ポーランドの歌と、ドイツの映画音楽、三文オペラのクルト・ワイルなど、渋い名曲。

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さて、その「今日は帰れない」の作者不詳という部分を解明しよう、というのがこの番組の狙い。
その答えは、明日の番組をぜひ見て欲しいのですが、結論からいえば、すごくハッキリと歴史が浮かび上がってきました。
この歌の作曲家のこと、ナチスに抵抗したパルチザンの素顔、ポーランドが受けた苦しみ…。

思えば中学生だった1956年ごろ、自由を願った東欧の揺れ動く歴史に心惹かれ、ちょっと大人の気分でニュースを見、大学時代は、アンジェイ・ワイダの映画「灰とダイアモンド」や「地下水道」に戦争から後の歴史の隠れた暗部に震えた。

歌ってから30年もたって、再びこのテーマに深く関わることになったことが、今の私の足元をしっかり固めてくれた、と思う。

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この夏のオーチャードホールコンサートでは、この歌ももちろん歌いますが、エディット・ピアフを歌う気持ちにも大きな変化がありました。
ナチスに占領されていたフランスで、その暗黒の時代をどうピアフが生きたのか?

ポーランドから帰って、徹底的に調べたら、本当に面白いほど詳しい事が色々わかってきたんです。
浮かび上がってきたのは、ピアフが愛した、ポーランド系ユダヤ人のピアニスト、グランツベルグ。

ドイツからフランスに亡命した彼とピアフが出逢ったのが1941年。監視の目をくぐりながら、彼をピアニストにいれてコンサート活動をし、その後も、逃亡する彼のもとに手紙を送りつづけています。
この人の書いた曲が、あの「パダンパダン」! もちろんオーチャードで歌います。

先週の日曜日には「ピアフを語る」飲み会を開き、ピアフに詳しい数人の方に集まって頂いたんです。
二つの戦争を果敢に生き抜いたピアフの魅力は、まだまだ奥が深そうで、これから「ピアフ研究会」が始まるかもしれません。

さあ、今週末の日曜には山梨県増穂町でコンサート。番組後でこの歌を歌うのが楽しみです。

土曜日は、TBSテレビの10時間放送特番「音楽の日」に出演します。
午後3時ごろ。見ていてください。

そして、7月3日水曜日の夕方6時からは「Tokiko's Bar」。堀江貴文さんをゲストに新宿の「どん底」からUstream放送です。
絶対お見逃しなく!

登紀子

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